このところ、クレームの処理ばかり続く。
いい加減な上司と、言い訳ばかりの部下と。
間に挟まれて身動き出来ずに腐っていく。

慎二は、ベンチに座ったまま、手の中のサンドイッチを見た。

「なんだ、バカか、俺は。昼飯までサンドイッチにしなくても」
自嘲気味に笑う。
ひからびた胡瓜が落ちた。

「ふん。自由に死ねるだけ胡瓜の方がマシだな」

慎二は、先ほどから公園のベンチに座ったままで
動こうとしない。
動けないのかもしれない。

「根っこが生えちまったのかな。なんだかもう、
どうでもいいや」
近寄ってきた鳩にサンドイッチを投げつけた。

あぁぁ、と大きく欠伸をし、背伸びをする。
その時、視界の片隅に親子が映った。
自転車の練習を始めたらしい。
小学1年ぐらいの男の子と、父親。
自転車にまたがった男の子が、フラフラしながら、こちらに向かってくる。
声が聞こえ始めた。

二へ