洗面所の鏡に向かって、娘、なにやらやっております。
なぁんしとんの

「あ。父。」

父でぇーす

「相変わらず軽っ!あのね、今度面接でしょ。髪型を考えてたの。
お父さんは何が好き?」

そやねぇ。父はツインテールが好きだよ。ツインテールっても
怪獣の名前じゃないよ

「判ってます。てかそんな怪獣知らないし。ツインテールねぇ…ふむふむ」

それで弱いなら、トリプルテールとか。ツインテールして、残り一本を
ずぎゅーんって真ん中からこう

「…あたし、ちょっとそれは」

ならば一本ずつ増やしていけぇい。
最終的にモヒカンになったりしてな。わはは

「もういい。お父さんに相談したのは我が一族の不覚やわ」



さて、娘は今日、高校入試です。
塾に行かず、自宅の勉強だけでここまでやった子です。
受からない筈がないと父は思います。

「おはよー」

お。結局、ツインテールか。トリプルは止めか

「結婚式にする」

やめとけ。


頑張ってこいよ、娘。
ええか、頑張ったからちゅうてどうにかなるかは判らん。
けど、頑張らずに何とかなる事なんか無い。
おまえは一生懸命に頑張ったからな、自信持っていいよ


「ただいまー。忘れ物したー」

おおい(笑 なにを忘れた?


「おばあちゃんに手を合わせるの忘れた」


そう言って、娘は仏壇に手を合わせて、ぺこりと頭を下げました。
やっぱり、こんな娘が受からない筈がない。