彼は少女を抱き上げ、
走り出した。

そのまま病院の中に
逃げ込み、職員を
人質に取り、手術室
に立てこもった。


「何が望みだ。早く
少女と職員を放せ!」

警察の呼びかけに、
彼は意外な要求を
出した。

「眼科医を寄越せ!」

彼は自らの角膜を
少女に提供するつもり
だった。

現れた眼科医は男の
要求を拒んだ。

「君はまだ生きている
じゃないか。生きてる
者の角膜は採れない。」


「構わん。あんたが
採らないなら俺が
自分でくり抜く。」
壮絶な覚悟に眼科医は
折れた。