「いやぁたまんないな。
あのアイドル、俺に
ピッタリくっついて。
メアドくれたぞ」

「楽しんでますね。」

「わぁっ!…あんたか。
ありがとう、おかげで
俺の人生は最高だ。」

「適当な所で普通の
バットに戻された方が
よろしいのでは。
もう無くても打てる
でしょう。」

「冗談じゃない。
金は払ってるんだ、
好きなように使わせて
もらうぜ。」

「そうですか。まぁ
大切に使ってやって
くださいな。
ほっほっほ」

男の生活は乱れた。
男の家庭も乱れた。
練習もせず、遊び
廻り、毎晩違う女を
抱いた。

耐え抜いた妻は
気疲れで入院した。

家に残るのは、中学生
の息子だけだった。



その夜も男は
酔っ払って帰った。
着替えもせず、
ベッドでイビキを
かき始める。

男の部屋のドアが
開いた。
息子が入ってきた。
冷たく、青い炎が
燃える目で男を
ジッと見る。

その手には、あの
バットが握られている。


一度狙ったら、
絶対に外さない。