今日はいよいよ、運命の日よ。

ふっふっふ。
あれから無茶苦茶練習したしね。
絶対大丈夫。

ほら、完璧よ。見て。
鏡の中のゴージャスな女は誰?って感じね。

あぁ。

やっぱり綺麗だ。
あの人、すごくシンプルなメイクだ。
だのにすっげぇ綺麗。



やっぱり不公平よね。

あたし…



あたし、何してんだろ。

ダメ、泣いちゃダメだって、あたし。

せっかく頑張ったメイクが台無しになる。
でも、涙、止まんない。

「ちょっと来いよ」

え。何?憲司くん。

「いいから来いってば」

ごめんなさい、楽しいはずのコンパなのに
泣いたりして。

「なぁ、俺さ、おまえの素顔好きなんだよ。
化粧、とってくんないか」

え?

「だから、その厚化粧を取って。
ほら、早く洗面所行って来いってば」

う、うん。



これでいい?

「うん。顔洗って出直してきたな。へへ、
おまえさ、笑顔が素敵なんだよ。
化粧してたらさ、笑顔、見えないじゃん」

うん。うん。


あ。


キスされた。