「そう…チャイ君、行っちゃったのか」福の話を聞いた先生は、ちょっとごめんねと軽やかに屋根まで上がると、尻尾を振り始めた。
「お待たせ」
「先生、今のは?」
「チャイ君を見かけたら、色々と助けてあげるように頼んどいた」
(これだ。先生のこういうところに私は惚れてしまう)
福は深々と頭を下げる。
その鼻先を尻尾でイタズラしながら、先生は遠くの空を見上げた。
「今頃どこかなぁ…無事に逢えたらいいな」
その頃チャイは、ひたすらに線路沿いを歩いていた。
チャイが目指す場所は、隣県にある大山田市。
大山田駅前から五分の家に、彼女が居る。
そして、線路は駅から駅へと続いている。線路沿いに行けば必ずたどり着く。
「みゅうさん、必ず行くからね」
恋しい名前を口に出すだけで元気が湧いてくる。
不思議なことに、食事には不自由しなかった。
他の犬達のテリトリーを侵すのだから、吠えられても仕方ないのだが、出会う犬達は皆親切にしてくれた。
寝床や食事はもとより、次の休憩所さえも指示してくれるのだ。
全てが先生の配慮によるものなのだが、チャイには知る由も無い。
密かなサポートの中、ひたすらに目的地を目指した。
二へ
「お待たせ」
「先生、今のは?」
「チャイ君を見かけたら、色々と助けてあげるように頼んどいた」
(これだ。先生のこういうところに私は惚れてしまう)
福は深々と頭を下げる。
その鼻先を尻尾でイタズラしながら、先生は遠くの空を見上げた。
「今頃どこかなぁ…無事に逢えたらいいな」
その頃チャイは、ひたすらに線路沿いを歩いていた。
チャイが目指す場所は、隣県にある大山田市。
大山田駅前から五分の家に、彼女が居る。
そして、線路は駅から駅へと続いている。線路沿いに行けば必ずたどり着く。
「みゅうさん、必ず行くからね」
恋しい名前を口に出すだけで元気が湧いてくる。
不思議なことに、食事には不自由しなかった。
他の犬達のテリトリーを侵すのだから、吠えられても仕方ないのだが、出会う犬達は皆親切にしてくれた。
寝床や食事はもとより、次の休憩所さえも指示してくれるのだ。
全てが先生の配慮によるものなのだが、チャイには知る由も無い。
密かなサポートの中、ひたすらに目的地を目指した。
二へ