「おれボーカル。」孝治が手をあげた。

「あ、ずりぃ。俺だってボーカル」
「俺もやりてぇ」
「俺だって」

結局、アミダクジで決めることになった。
ドラム・ベース・ギター・ボーカル。

「よっしゃ、俺ボーカル!」孝治が両手をあげて喜んだ。

「俺ギターだ。へっへっへ」これは彰。

「…ドラムか。まぁいいや」
不承不承という感じで真一が納得する。

「………ベース。」啓介がブウたれる。

「なんだよ、がんばれよ、ベースだって
チョッパーとかやったら目立つって」

「そうだよ、さ、練習しようぜ」

「曲は?」

「まずコピーから始めろ、ってこれに書いてあるよ」
『楽団やろうぜ』という雑誌を広げる。

「じゃこれにしよ。青い心の『汽車汽車』」

「うん、いいよな青い心」

「よし、決定!」
せーの、で歌が始まった。