「ねぇタロー。はるはねぇ、
みんなのところに行くよ。
おまえもきなさい。」

タローは、はるちゃんの
足をやさしくなめて
止めました。

「はなして。タロー。はるは
行くの。ついてきなさい。」
どんどん歩いていくはるちゃんを
こまった顔のタローが追いかけて行きました。

森の中に入ったときでした。
とつぜん、タローがはるちゃんの
スカートをひっぱります。

「なによタロー。やめなさい。
はなしてよ。もう。」

ふりほどこうとしたはるちゃんの
後ろでものすごい声がしました。
びっくりしたはるちゃんが
ふりかえると、そこには
大きなイノシシがいました。
はるちゃんは足がすくんで
動けなくなりました。

こわくてこわくてしかたないのですが、
声をあげて泣くことができません。
大きな声を出すと、すぐにイノシシが飛びかかって
きそうです。


三へ