…俺に似てデカくなる
はずだ。あの足を
見たら判る。

本当によく無事で
産んでくれたなぁ…
細い体なのに、あいつ
頑張ってくれたなぁ…

医者の野郎、母親か、
赤ん坊か、どっちか
選べなんて言いや
がって。しかし
強い女だな、
見事に言い切った
ぜ。どっちも助かって
みせる!
なんてな。


しかしデカいよな。
へへっ、絶対に野球
選手にしてやる。

でも生まれたばかりの
子にグローブは、ちと
早かったかな。

いつ頃からキャッチ
ボールできるかなぁ…

今、三歳だから後…
二年か?待てないなぁ




…うん?あの足場、
今ぐらつかなかったか



う。ヤバい!

おい、そこの奴!
危ないから逃げろ!
くそ、間に合わんっ!

どけっ!




そこで父の意識は
途切れた。

ヘッドセットを付けた
まま、涙を流している
私に医者が言った。

「あなたのお父さんが
あなたにした事は、
何だか判りましたか?」


私は答えた。

「愛し続けること。」


「ならばあなたも
そうしなさい。
愛していると、もう
一度言う事から始め
ませんか?」




私は、息子に愛して
いると言うつもりだ。


私の父が、私に言え
なかった分もまとめて。