「さ、さぁやるぞ。お前たち覚悟は良いか!?」無理矢理明るい声を出す樹林に、縄谷も精一杯明るく応える。

「大丈夫っすよ!ちゃんと広辞苑も用意してあります。どんな質問でも完璧っすよ」

「ナイスだ、縄谷。よし、行くぞ」

せーの、と樹林が声をかけた途端、事務所の電話が鳴った。

「うきぃぃぃっ!あぁびっくりした!誰だよ、ったく…」

縄谷が電話をとり、勢い良く応対する。
電話は明るくハキハキと、というのが都伝隊の方針だ。

「隊長…」

縄谷が怪訝な顔付きで振り返った。

「隊長にっす。赤マントさんて方から」

樹林の顔が(?_?)という顔文字そのものに変わる。

とりあえず出るわ、と受話器を受け取った。

「お電話かわりました。私が都市伝説実証隊隊長、樹林です」

「あ、どうも初めまして。突然の電話、お許しください。わたくし、怪人赤マントと申します。」

赤マントと名乗る相手は、えらく馬鹿丁寧である。
樹林は、電話の録音装置を動かせ、と多中に目で合図を送った。

(録音だよ、録音)

懸命にまばたきして合図を送る。
多中は、大きく頷くと、ロッカーから目薬を出してきた。