手を振り上げ探し回る手の目が、ひぃと悲鳴を上げうずくまった。
「な、なんじゃこのデカい気配はっ」

恐る恐る顔を上げ、屋根を見上げた。
そこに居たのは、真っ白な虎であった。
月の光よりも白く、闇の中に神々しく浮かび上がる。

「な、なんで白虎がこんなところに」

白虎は、巨体に似合わぬ身軽さで、屋根からフワリと降り立った。

「旅の途中だ。手の目よ、一つ訊く。この辺りに雲外鏡は居ないか。
我を遠くまで放り出したぐらいだ、かなりの力を持つ雲外鏡である」

「し、知らんわいっ!」
懸命に虚勢を張る手の目だが、所詮付け焼刃である。

「そうか。ならば良い。さて、どうする。手の目。我と闘うか」

「く、くそっ!やったるわいっ!」
手の目は、いい終わる前に倒れていた。
白虎は一歩も動いたように見えないが、瞬時に空間を移動し、
手の目を倒したのであった。

「命までは取らない。大人しくこの村から出て行け」
手の目は、腰を抜かした姿勢のまま、後ずさりで庭を出て行った。