「あぁどうしたらよかろぅもん」

わけの分からない方言で叫ぶ梨華。

気がつけば午前3時。

眉毛は姿を消していた。

「か、描けば良いのよ描けば」

とりあえず寝よう。

起きて早速、鏡に向かう。

急がなきゃ、少し寝過ごした。

自然に自然に。眉尻を少し濃い目に。

あぁ右が長い。

うっ今度は左。

はうぅ~時間が無い~

仕方ない。あとは向こうで。


慌ただしく出かける梨華を見送って父親が言った。

「梅宮達夫かと思ったが、ゴルゴ13だったな」

「いやですよ、お父さん。どちらかと言うと星一徹。」


結局、梨華はトイレに入る手前で仲間に見つかってしまった。

「なに!梨華、その眉」

「こち亀の両さんか」


梨華の憧れの彼も、じっと見つめている。

「…素敵だ」

ええええ~っ!


梨華は、その日から、一生懸命眉毛を伸ばし始めた。

今で1m20cm。普段は三つ編みにしている。