気づかれた以上、ここに居るわけにはいかない。
様々な場所で何人も、ほとんど脅迫まがいに追い出して来たが、
相手が憎むべき輩ならともかく、これほど幸せな家族の暮らしを邪魔する権利など本来私には無いのだ。
たまには気紛れを起こしても良いだろう。
私は早々に消えることにした。
部屋に戻った途端、依頼主であるK不動産から電話が入った。
『どうですか。やっぱり幽霊屋敷でしたか』
「そうですね、確かに家族全員の霊が居ました。
一酸化炭素中毒で寝ている間に亡くなったのでしたね。
おそらく、まだ自分達が死んだことに気づかずに暮らしているんでしょう」
『どうか、貴方の力で除霊ってやつを…』
私は瞬時に答えた。
「それなんですがね、ちと厄介そうだ。お断りしますよ」
『え…ちょ、ちょっと…』
最後まで聞かずに電話を切った。
次の日、私は知人の名を借りて、あの家を買った。
幽霊屋敷と評判が立った為、ただ同然の値段だ。
あの幽霊家族にプレゼントすることにしたのだ。
今まで他人にあげた中で、一番大きなプレゼントだ。
これで世間の好奇の目に晒される事もあるまい。
時間が止まったあの家では、今日も仲の良い家族が暮らしている。
それもまた幸せの一つかもしれない。
いつか私が死んだ時には、立ち寄ってお茶でもご馳走してもらうつもりだ。
様々な場所で何人も、ほとんど脅迫まがいに追い出して来たが、
相手が憎むべき輩ならともかく、これほど幸せな家族の暮らしを邪魔する権利など本来私には無いのだ。
たまには気紛れを起こしても良いだろう。
私は早々に消えることにした。
部屋に戻った途端、依頼主であるK不動産から電話が入った。
『どうですか。やっぱり幽霊屋敷でしたか』
「そうですね、確かに家族全員の霊が居ました。
一酸化炭素中毒で寝ている間に亡くなったのでしたね。
おそらく、まだ自分達が死んだことに気づかずに暮らしているんでしょう」
『どうか、貴方の力で除霊ってやつを…』
私は瞬時に答えた。
「それなんですがね、ちと厄介そうだ。お断りしますよ」
『え…ちょ、ちょっと…』
最後まで聞かずに電話を切った。
次の日、私は知人の名を借りて、あの家を買った。
幽霊屋敷と評判が立った為、ただ同然の値段だ。
あの幽霊家族にプレゼントすることにしたのだ。
今まで他人にあげた中で、一番大きなプレゼントだ。
これで世間の好奇の目に晒される事もあるまい。
時間が止まったあの家では、今日も仲の良い家族が暮らしている。
それもまた幸せの一つかもしれない。
いつか私が死んだ時には、立ち寄ってお茶でもご馳走してもらうつもりだ。