「…ありがと。いぶさん」

「熊はね、ピヨッ子ちゃんが可愛いのよ。判ってあげてね」

「はい。それは判ってるんです。私、自分に腹がたって…」

「良かったらこれも食べて。ドラ焼きを作ってみたの」

ふっくらと焼きあがったドラ焼きである。
甘い物に目がないピヨッ子は、たちまちペロリと一つ平らげてしまった。
その様子をにこにこと微笑みながら見守っていたいぶは、
ふと思いついたように厨房に戻ると、一枚の色紙を持ってきた。

「これ見て」

「何ですか?何か書いてある。なんだか読めませんね…
子供が書いた字かな?」

「これね、熊のお母さんが書いたの。
『人にも飯にも手を抜くな』と書いてある。
熊はね、サラリーマンだったのよ。何故、店をやることに
なったか、聞きたい?」

「え?熊さんて脱サラ組?お願いします、聞かせてください」

「それはね…


三へ