「マーク、なぁマーク!」
「なんでぇすか。山岡さん、じゃかましいですよ」
マークは惚けた顔を崩さず、上を見ようともしない。
「なんですかじゃない。この辺りの猿は仮面を着けてるのか」
「山岡さん、急ぎましょう。だいぶ疲れているようだ」
マークに代わって村長が答え、山岡の手を引いた。
「いや、待てってば」
ほらあそこ、と指差す先には何も居ない。
山岡は納得できないまま、村長のあとに続き村へ入った。
小さな村である。
村民達が出迎えてくれたが、山岡には個々の見分けがつかない。
そのうち覚えればいい、と愛想笑いを浮かべながら歩を進め、村の外れまで来た。
「さ、これが山岡さんのクダイだ。どうだい、なかなか立派だろ」
村長が自慢するだけのことはある。
丸太を組んだだけのようだが、丁寧に作られた様子が窺えた。
「先に届いた荷物は全部、中に運んである。水は村の井戸を使ってくれ。
マークがやってくれる。食事は村人に運ばせよう。
それじゃな、頑張って働きな」
「ありがとう。あの、良かったら中で珈琲でも。確か荷物の中にあった筈だ」
「いや、結構。先に断っておくが、マークもわしらも、クダイには長く居られない」
なるほど、うっかり忘れるところだったと山岡は頭を掻いた。
極秘事項だ、極秘事項。
芦田部長の顔を思い浮かべると余計に暑苦しくなった。
山岡はマークと村長に手を振り、家の中に入った。
その姿をジッと見守るマークには先程までの笑顔は無い。
表情が読みづらい筈の村長が、明らかに嫌悪の色を浮かべていた。
「なんでぇすか。山岡さん、じゃかましいですよ」
マークは惚けた顔を崩さず、上を見ようともしない。
「なんですかじゃない。この辺りの猿は仮面を着けてるのか」
「山岡さん、急ぎましょう。だいぶ疲れているようだ」
マークに代わって村長が答え、山岡の手を引いた。
「いや、待てってば」
ほらあそこ、と指差す先には何も居ない。
山岡は納得できないまま、村長のあとに続き村へ入った。
小さな村である。
村民達が出迎えてくれたが、山岡には個々の見分けがつかない。
そのうち覚えればいい、と愛想笑いを浮かべながら歩を進め、村の外れまで来た。
「さ、これが山岡さんのクダイだ。どうだい、なかなか立派だろ」
村長が自慢するだけのことはある。
丸太を組んだだけのようだが、丁寧に作られた様子が窺えた。
「先に届いた荷物は全部、中に運んである。水は村の井戸を使ってくれ。
マークがやってくれる。食事は村人に運ばせよう。
それじゃな、頑張って働きな」
「ありがとう。あの、良かったら中で珈琲でも。確か荷物の中にあった筈だ」
「いや、結構。先に断っておくが、マークもわしらも、クダイには長く居られない」
なるほど、うっかり忘れるところだったと山岡は頭を掻いた。
極秘事項だ、極秘事項。
芦田部長の顔を思い浮かべると余計に暑苦しくなった。
山岡はマークと村長に手を振り、家の中に入った。
その姿をジッと見守るマークには先程までの笑顔は無い。
表情が読みづらい筈の村長が、明らかに嫌悪の色を浮かべていた。