母は亡くなった父を
深く愛していた。
モテる人だったから、
再婚話は山のように
あった。
俺も姉も、全く気に
せず、それどころか
再婚を望んでさえ
いた。
けれども母は旧姓には
戻らなかった。
「夫と呼べるのは、
一生に一人だけ。」
と素敵に微笑んだ。
とは言うものの、
男友達は別。
特に仲の良かったのが
木村のおっちゃん。
11tトラックを
運転して日本全国を
走り回っている人
だった。
母は木村のおっちゃん
のトラックでドライブ
するのが大好きで、
よく出先から電話を
かけてきた。
「あ、お母さんです。」
「おかん?えらい電話
遠いな…今どこ?」
「仙台♪」
「はぁ?おーい。
いつ帰るの。」
「もう出るから。」
三時間後。
「お母さんです。」
「もう帰ってきたん?」
「今銚子に着いた♪」
「なんでやねん!」
こんな事が月に一度は
必ずあった。
その度、俺の部屋には
全国から様々な土産が
集まった。
「あんたの部屋って
民芸館みたいやね。
若者らしないわぁ。」
俺は言い返すのも
イヤになった。
思えば母は、あの頃が
一番幸せだったのかも
しれない。
深く愛していた。
モテる人だったから、
再婚話は山のように
あった。
俺も姉も、全く気に
せず、それどころか
再婚を望んでさえ
いた。
けれども母は旧姓には
戻らなかった。
「夫と呼べるのは、
一生に一人だけ。」
と素敵に微笑んだ。
とは言うものの、
男友達は別。
特に仲の良かったのが
木村のおっちゃん。
11tトラックを
運転して日本全国を
走り回っている人
だった。
母は木村のおっちゃん
のトラックでドライブ
するのが大好きで、
よく出先から電話を
かけてきた。
「あ、お母さんです。」
「おかん?えらい電話
遠いな…今どこ?」
「仙台♪」
「はぁ?おーい。
いつ帰るの。」
「もう出るから。」
三時間後。
「お母さんです。」
「もう帰ってきたん?」
「今銚子に着いた♪」
「なんでやねん!」
こんな事が月に一度は
必ずあった。
その度、俺の部屋には
全国から様々な土産が
集まった。
「あんたの部屋って
民芸館みたいやね。
若者らしないわぁ。」
俺は言い返すのも
イヤになった。
思えば母は、あの頃が
一番幸せだったのかも
しれない。