「だいじょうぶなの。おかあさんの人形がまもってくれるの」
そう言って、いつも抱いている人形に頬擦りをする。
手作りの花嫁人形であった。
15cm程度の布製で、髪の毛は黒い毛糸で出来ている。
顔は描かれてない。
純白の着物に黒い内掛けを羽織っていたという。
「それって…ほんとのおかあさんが作ってくれたの?」
「うん。おかあさんがね、これからこの人形が守ってくれるって。
あのね、こんど、知らないおばさんが来るから、
おばさんの髪の毛をね、人形にいれなさいって。
それでね、これで刺すんだよって教えてくれた」
微笑みながら明子ちゃんは、人形の髪からかんざしを抜いた。
その先は鋭く研がれてあった。
「ね、ちょっとお人形さん見せてくれる?」
「うーん…よその人には見せたらダメって言われたけど…
おねえちゃんならいいよ。みせたげるね」
大谷さんは恐る恐る、受け取った人形を調べた。
小さな穴が幾つも幾つも残っていたという。
しばらくして明子ちゃんの家で葬式があった。
近所の住人は、僅かの間に二人も妻を亡くした父親を心から慰めたそうだ。
そう言って、いつも抱いている人形に頬擦りをする。
手作りの花嫁人形であった。
15cm程度の布製で、髪の毛は黒い毛糸で出来ている。
顔は描かれてない。
純白の着物に黒い内掛けを羽織っていたという。
「それって…ほんとのおかあさんが作ってくれたの?」
「うん。おかあさんがね、これからこの人形が守ってくれるって。
あのね、こんど、知らないおばさんが来るから、
おばさんの髪の毛をね、人形にいれなさいって。
それでね、これで刺すんだよって教えてくれた」
微笑みながら明子ちゃんは、人形の髪からかんざしを抜いた。
その先は鋭く研がれてあった。
「ね、ちょっとお人形さん見せてくれる?」
「うーん…よその人には見せたらダメって言われたけど…
おねえちゃんならいいよ。みせたげるね」
大谷さんは恐る恐る、受け取った人形を調べた。
小さな穴が幾つも幾つも残っていたという。
しばらくして明子ちゃんの家で葬式があった。
近所の住人は、僅かの間に二人も妻を亡くした父親を心から慰めたそうだ。