次の日、いぶはよ~を呼び出した。
「よ~ちゃん、判ったよ。なんで味が違うか」

「え?なんか理由があったんですか」

「空気よ。空気」

「空気…」

いぶはよ~から預かったタッパーを取り出した。
「この糠床、一番最初に作ったのは何処で?」

「何処でって…うちの台所だけど」

「さ、そこですな」
きょろきょろ辺りを見回す。
よ~に軽くツッコミをいれる。

「いいから。細かいボケは。良い?毎日糠床を
かき混ぜるでしょ、その時に当然空気が入るわね」

「はい。」

「糠床は、その家の空気を一緒に混ぜる物なのよ。
だから家ごとに味が違うの。もちろん、材料やレシピの
違いはあるわ、でも一番違うのは空気なのよ。
空気中に含まれる微生物の違いなの。」

そうだったのかと、よ~は大声を上げた。

「明日、行って来ます。旦那の実家はまだ、姉夫婦が
暮らしてますから。ちょっと贅沢だけど、糠床作ってきます」

最終へ