浅葉なつさんの「空をサカナが泳ぐ頃」を読了。
俺自身がダイビングを趣味としているということもあって、素敵な表紙の海の瑠璃色と、タイトルに魅かれて、本屋の本棚から一目惚れで掬い上げたのがこの本。
話の内容はかなりラノベ調で完全にフィクションだったけれど、「大人になっても忘れちゃいけないこと」っていうテーマにはとても好感を抱いた。
個人的な話になってしまうけれども、俺の夢は、めちゃくちゃ海が綺麗なところで、ダイビングショップを開くこと。もちろん器材とかのショップを併設して、うまくバリューチェーン組んで回していかないと食い扶持すら稼げないことはわかってるけど、やっぱりインストラクターやりたいなって。
親父がイントラの免許もってて、初めて親父に海の美しさを教えてもらってからずっとダイビングにとりこ。お金が掛かるから計60本くらいしか潜れてない初級ダイバーだけど、ちょっと人よりも珍しいのは、パラオ、ハワイ、グアム、サイパン、ベトナム、タイ、オーストラリア、沖縄本島、石垣、伊豆で潜った経験があるってこと。
どの海も本当に本当に綺麗なんだ。どうしてこんな世界があることを今まで知らなかったんだろうって、ちょっと後悔の念すら抱くくらい。そして、最高に気持ちいいんだ。人間でも、水の中だったら空を飛べるんだって初めて知った。
その、俺が最初に見た時の、世界の広がりや、生命の神秘を多くの人に伝えたいなって思う。それで、共感できる人が増えてくれたらめちゃくちゃ嬉しいだろうなって思う。
最近感じるのは、今、広告会社で働いて日々やってることもやっぱり同じことなんだろうなということ。
人の幸せのために、伝えるべきことを、色んな手段を以てして伝えて、共感を生み出すということが仕事の一側面。
得意先と生活者を一本道で繋げて、得意先にはビジネスを通じてのhappyを、生活者には、より豊かな生活を送ってもらう、ちょっとした幸せを感じてもらうお手伝いをしているということがざっくり捉えた時の我々の仕事の本質だろう。
それに照らして考えてみると、ダイビングのインストラクターって、海と人とを繋いでるんだろうなと思う。もう少し言えば、海の全てと、それを見て共鳴する人の心を繋いでるんだろうな。
忙しくてダイビングのことなんてほぼ常時忘れてるけど、その夢を、忙しさにかまけて忘れたくない。諦めたくないし、見えない振りをしたくない。常にどん欲に、自分のやりたいことを突き詰めたい。
そう思わせてくれた一冊。
ダイビングショップを開く時は、ぜひ一度いらしてください。