2019年度  98本目の劇場鑑賞


甘酸っぱい青春ヴァンパイア作品「ぼくのエリ 200歳の少女」の原作者ヨン・アイビデ・リンドクビストの脚本によるスウェーデン・デンマーク合作のファンタジー・ホラー映画。
 
港で入国税関検査員をしている女性ティーナは嗅覚により違法な物を見つけたり、人の抱いている感情までも嗅ぎ分けたりできる特殊な能力を持っていたが、その醜い容姿のため比較的寂しい生活をしていた。

ある日一人の旅行者ボーレが入国して来た。何かを感じたティーナは彼を引き留め手荷物検査をしたが何も不法な物は持っていなかった。同僚に身体を検査させたら・・・・。

ティーナは自分と同じような容姿のボーレに本能的に惹かれる。二度目の入国時に自分から彼に近づき、自宅に招き入れ、彼女の離れを住居として提供する。
 
映像は美しいが総てのカットが手持ちカメラで撮影されていた。小生にとってはここでNG。

手持ちカメラでの撮影、それには必然性や積極的な意味を持っていなければならないと思っている。例えばスピード感を増す、不安な気持ちや恐怖心の表現、パニック状態、何かを探している、または走っている人の目線を映像にする、などなど。

普通のロングショット、しかも美しい風景を撮影する時はしっかりカメラを三脚等へ固定して撮影して欲しい。

カメラに動きが必要な場合はレールを敷いて、またはクレーンにより撮影するべきだ。自由なカメラワークが必要な場合はステディカム等のカメラ防振装置を利用することもできる。

広い絵(大きな風景の映像)なのにゆらゆらしているのは耐えられない。イライラする。


作品に戻ろう。

奇妙で少しグロテクスなこの作品はR18+で「シェイプ・オブ・ウォーター」を思い出さざるを得なかった。

制作者、監督はこの作品で観客に何を感じてもらいたかったのだろう。

台詞で「他人と違うことは優れていること」とあった。他と違うことによる孤独、自分と違う者に対する嫌悪、異種を恐れ排除しようとする本能、異種を含め何物も傷つけてはいけないと思う超自我。LGBTも異種なのか。

人種や民族、文化の違いを異種にまでデフォルメさせた作品なのだろうか?
 
美しくない裸体をグロテクスと感じてしまう小生は異常?セクハラ?人でなし?

ヨン・アイビデ・リンドクビストはグロテクスにエロティシズムを感じているのだろうか。また、誰しもがそのような性感を内面に持っているのだろうか。

醜い容姿(人間にとっては)ではあるが人間同等の知性を持っている彼らを不潔に表現するのはどうかと思った。


評点・・・★★★  3
『彼女はシカ(deer)、ヘラジカ(moose)、キツネとは仲が良いが犬には嫌われ恐れられる設定が面白かった。』