2019年度
とうとう、劇場鑑賞 100本目を達成‼︎


「カノン」や「アレックス」などの問題作で監督を務めたギャスパー・ノエの狂乱作品。

有名な振付師のアメリカ公演の企画に22人のダンサーが集まった。通しリハーサル後、その場所(郊外の寝泊りもできるスタジオ?)にて打ち上げパーティーが開かれる。そこで提供されていたサングリアにドラッグが混入していてダンサーたちは次第にラリってゆく。

踊り狂い、笑い、泣き叫び、苦しみ、愛し合う一晩をドキュメンタリータッチに撮影した作品。ストーリーは無い。

まずはダンスが素晴らしい。クラブサウンドの爆音が作品を通してほぼずっと流れ、通しリハーサルからノンストップで映像が流れて行く。

ダンサーたちのアンサンブル(ダンスでもアンサンブルというのか知らないが)が絶妙で複雑な入れ替わりや交差する振付が精密。次々に入れ替わる一見アドリブのようなソロも周りの動きとの調和がとれていて計算し尽くされている。

リハーサルのダンスシーンはカッコイイの一言。

リハーサル後のパーティーでも酔いに任せて皆が素晴らしいダンスを披露する。個々の技術もすごい。

動きのあるシーンはすべてワンカメ押し。手持ちカメラではあるが回転機能を持った防振装置を利用していて10分?15分?以上の長いシーンを飽きさせないで見せてくれる。真俯瞰のダンスシーンや他のシーンでもカメラはゆっくり回転したり、斜めになったり、しかもカットバックがないワンカット。

一見ドキュメンタリーのようにも見えるがダンサーたちの動きに合わせてのカメラワークも完璧に段取りができていて緻密な演出がなされている。

カメラはあるダンサーを追っている(ついて行く)。そこへ絶妙なタイミングで他のダンサーがすれ違う。その瞬間カメラは新しいダンサーの方を追うことによって一種のシーンチェンジが行われる。このような手法の撮影で途切れなく長回しされている。どれだけリハーサルを重ねたのか、または撮り直しをしたのか。ちょっとした殺陣のシーンでも大変なのにこの出来は最高。

ワンカメの妙技は「カメラを止めるな」をはるかに超えている。

しかしながらその内容は・・・・。何を伝えようとしたのか分からない。また、最後はずっとカメラが逆さまで阿鼻叫喚の様子を安易に演出しているようにも思える。

クラブサウンドは少し苦手だが大音量でとてもかっこよかった。最後に流れたストーンズのアンジー(オリジナルではなくインストゥルメント)でほっとした。

各ダンサーの個性も光っていた。


評点・・・★★★★  4
『技術がすごいので甘め。字幕まで逆さまとはどういうこと?』