2020年度 25本目の劇場鑑賞
動物カメラマンで映画・テレビの制作や監督をしているジョン・チェスターとその妻モリーが郊外で巨大な農場を作り上げる8年間のドキュメンタリー。
先ずは都会から離れ郊外に移り住む理由ときっかけを半分アニメで説明するところから始まる。
二人が仕事で出かけ家を空けると愛犬のトッドが鳴き止まず近所迷惑になり、結果アパートを出なければならなくなった。
次は資金だ。なんせ200エーカー(約24万坪)の広大な土地だ。作業協力者も数十人必要。
知り合いから次々に資金協力が・・・・・と言うことなどで一種のクラウド・ファンディングのようなものだろう(ネットを利用してとは言っていなかった)。
町の名前は忘れたがLAから北へ1時間程と説明していた地域は単一作物の大農場や巨大養鶏場など工場とも言える農地が目立つ場所だ。しかしながらこの夫婦の狙いは<伝統的農業>だった。
それは多くの農作物を植え、多くの動物を飼育し、自然の力ですべてを循環させること。
ミミズにより土を肥沃にし、鶏、鴨、羊、豚、牛の糞も利用する。
増え過ぎたカタツムリは鴨が食べて農作物を守る。アブラムシにはテントウ虫、ムクドリやホリネズミはフクロウやタカがその数をコントロールしてくれる。鶏を襲うコヨーテは犬たちが追い払ってくれることが分かった。
夫婦に協力し、技術的アドバイスをしてくれたアランは<多様性>が口癖だった。総ての動植物にその役割があり、特定の種を排除すると食物連鎖が狂い自然サイクルが破綻する。
ディズニーの自然ものでは特定の動物の立場、目線でその生態を紹介する作品が多かったが、この作品は人を取り巻く自然の正に自然力を伝えている。多くの生物の共存により、つまり多様性により絶妙なバランスを保つことが可能となる。
ドキュメンタリーなのでストーリーを楽しむ作品ではない。夫婦やスタッフの奮闘、動物の誕生と死、新たな発見を美しい映像で見せてくれる。特に夫ジョンの撮影だろうか虫の接写・高速度撮影による映像は素晴らしい。
91分の作品だったがたぶん膨大な記録映像をこの尺に凝縮したものと想像できる。当然編集作業も長時間になったのだろう。エンドロールでAdobeのPremiereの表記があったが手軽に編集・映像処理ができる安価なツールも貢献したに違いない。
感想ではなく説明が主になってしまったが、度重なるトラブルにもいつもポジティブな夫婦、特にモリーの笑顔が素敵な作品だった。
評点・・・★★★★ 4
『他にイタチ、アナグマ、スカンク、ヤマネコなども監視カメラに写っている。カリフォルニアは広いな。』
