2020年度  24本目の劇場鑑賞


予告編を何度か観たがどんな内容の作品なのか全く想像できなかったので興味を持っていた。


そして観たがやっぱり何だったのか分からない。決してストーリーが難しかった訳ではない。むしろ分かり易いが・・・だから?ってな感じ。


子供の頃テレビドラマの主役で人気者だったジョン・F・ドノヴァンと文通をしていた役者で作家のルパート・ターナーがその手紙の内容をジャーナリストに語り、回想シーンに移る。


予告等では<謎に包まれた彼の死の真相の鍵を・・・・>などと表現しているがそこに焦点を当てた作品ではないことは確か。ミステリーでも謎解きでもない。

強いて言えばLGBTを含む多様の愛、またスターの虚像と孤独をテーマにした映画、といったところだろうか。

これほど人に説明しづらい作品も珍しい。


しかしながら決して駄作ではなく心に染みる作品だった。

良い意味でよくこんな題材を映画にできたものだと思った。監督を頼まれた人はどのような映像を撮れば良いのか、どう纏めれば良いのか悩むだろう。しかしながら本作は原案・脚本・監督は同一人物。イメージは最初から固まっていたのだろう。


何が良かったのか。それは俳優たちの演技と緩みの無い編集だろうか。

主役ルパートの子供時代を演じたジェイコブ・トレンブレイ、彼の母親役のナタリー・ポートマン、ジョン・F・ドノヴァンの母親役のスーザン・サランドン、そしてジョン・F・ドノヴァンの筋の通ったマネージャーを演じたキャシー・ベイツらが個性豊かな人物を粒だった演技で表現している。

それぞれの人物にそれぞれの背景があることが読み取れる優れた演出でもある。


独特なトーンの映像だと思っていたら(暗部が少し潰れていて小生はあまり好きではない)エンドロールで35mm、65mmなどの表記があったのでフィルム撮影だったようだ。どのシーンがハイレゾで撮影されていたのだろうか。

また、これもエンドロールでの表記でロケーションにプラハが含まれていたのもびっくり。確かにルパートのインタービューはプラハが舞台だったがカフェ内のシーン(窓の外のカットも少しあったが)なのでスタジオで十分。贅沢な撮影だ。


ストーリーの面白さやモチーフを重視する人にとっては<なんじゃこれ?>ではないだろうか。細君の評価は2.5。


評点・・・★★★☆  3.5
『一つだけ。ナタリー・ポートマンの茶髪のおかっぱ頭はいただけない。』