2020年度 26本目の劇場鑑賞
免罪の死刑囚を救った弁護士の実話を基にした人間ドラマ。
黒人が被告の裁判もの映画なので大方の筋は想像できてしまうため観るつもりではなかったがモッサンの<良いらしい>との言葉で観ることにした。
舞台は1980年代後半のアラバマ州。人種差別は理不尽で怒りが込み上がってくる。日本人に生まれて良かったとつくづく思った。この時代で(それほど昔ではない)この状況だったら現在でも少なからず<あるだろう>と容易に想像できる。
裁判もの映画といえば多くの妨害や謀略にもかかわらず最後には敏腕弁護士による予想外の証拠の提示や証人の出現、巧みな尋問でうっかり真実を話してしまう真犯人、等の大逆転が見ものだ。また「ビリーブ」のように正義とは何かを熱弁する感動ものもある。
この作品は前者の大逆転で終わる作品だがその大逆転の理由は・・・・・。気が抜けるほど簡単なプロセスだった。
もっと水戸黄門のように悪党をギャフンとさせる醍醐味を味わいたかったが現実は違ったようだ。
しかしながら途中の再審却下のシーンは理不尽そのもの。どこかの国の何とか学園問題の再調査はしない、と同じだな。
ストーリー展開の意外性を期待した人は少しがっかりだったかも知れないが作品自体は良く出来ていて特に出演している役者が皆素晴らしかった。最後に実際の人物たちがニュース映像などで映されるが皆俳優と似ている、いや実際の人物に似た俳優たちをキャスティングしていることに驚いた。
この作品で改めて考えさせられたことは役人(作品では警察、検察、司法)の違反・失態・怠慢に対してのペナルティーだ。
一般の社会人の場合は必ず責任者は懲戒等処罰され、政治家でさえ社会的制裁を受ける場合がる。しかしながら行政(役所)では責任者が特定されないことが多く、特定されても満額の退職金をもらって退職または天下ってゆく人たちを多く見せられている。
行政は絶対に間違いを犯さない、行政が行うことは常に正しい、との理論のようだ。
免罪者が釈放されたことは喜ばしいが免罪者を作った人たちはお咎めなしでは・・・・腹の虫が収まらない。
裁判で一番突拍子の無い結果で終わるのは何といってもジャック・レモン主演の「女房の殺し方教えます」だ(小生もTVで観ただけ)。しかしながらこの作品は裁判ものではなく喜劇。法廷内の男たちが争ってボタン(机の節だったかな?)を押すシーンは最高!
評点・・・★★★☆ 3.5
