(sheen 新作)
2019年度 33本目の劇場鑑賞
ウラジーミル・ナボコフの小説LOLITAが話題になっていた時代、海に面したイギリスの町で未亡人がOld House(古い家)を手に入れ、本屋を始める。女性の活躍が未だ一般的でなかった田舎町では保守的な町民が多く、嫌がらせや妨害を受けるが最初は順調で、支持してくれる人もいた。しかしながらOld Houseは歴史的価値があるとして町の帰属となってしまう。
イギリスの田舎(特にスコットランド等では)の風景といえば常に曇っていて雨が多く、寒々しいが草木は豊かな印象だろうか。この作品でもこのような映像が多いが実はスペインで撮影していたようだ(全部かどうかは知らない)。
正直者の主人公を騙し、苦境に陥れようとするいけ好かない連中は正統派の悪役で花登筺のドラマに出てくる継母や料亭の仲居頭のようだ。策略的で悪賢い。
小生はビル・ナイが大好き。どんなにシリアスな役を演じていてもラブ・アクチュアリーやパイレーツ・ロックでの老ロックスターを思い出し、笑いがこみ上げてしまう。
遠回しの言い方や手紙による無駄なやりとりは当時のイギリスらしい。イギリスに長く駐在していた小生の先輩は洗濯屋に出来の悪さを述べたところ、店員は聞く耳を持たず、そのようなクレームは手紙でしか受け付けない、と言われたそうだ。その後、イギリス経済が振るわない原因の一つとして客を客とも思わない当時の風潮を変えるべくマーガレット・サッチャーは公共事業の民営化とともに顧客満足度を一義とする規格(現在のISO9001等)作りを推し進めたそうだ。
これだけ嫌なやつらにやられっぱなしなので最後はスッキリ大逆転を期待したらそれほどでもない。いらいらは残るが全体としてはしっとりとした良作である。
おススメ度・・・★★★☆ 3.5
