11/11 大作さん笠原さん 朗読×音楽 ライブ | いぽぽぽぱんぱのブログ

いぽぽぽぱんぱのブログ

主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

朗読:大作綾さん
チェンバロ:笠原恒則さん

よろっとローサ終了後、ちょっとゆっくり目に移動して開演20分前くらい、まあちょうどよい時間に到着。新しく入った「縁」さんの看板が目を引きます。

せっかくなので最前列端の席を確保させていただきました。

大作さんは、歌にリコーダーにパイプオルガン、そしてさらには演劇では女優でもあり演出家でもあり指導者でもあるという表現者として非常に多才な活躍をされていますけど、この日は「朗読」。

 

ちなみに先日の高校演劇の県大会でも大作さんは一部の学校に「指導者」としてお名前があったりもしましたね。


実は前日にも小柳先生が主宰のアナウンススクールの朗読発表会があり、そこに筝の奥村さんが参加するという公演もあったのですが、私は自分のミス(汗)でいけず。
本来であれば、同じ朗読+音楽という公演でも随分と雰囲気が違うんだろうな~、と両方観てみたかったのですけど。。。。まあ仕方なし。

元々この公演は1年くらい前に笠原さんがチェンバロの音色をバックに朗読をするという公演を観た際に刺激を受けてご自身でもやろうと企画されたとのこと。それで朗読を頼むのであれば大作さんしかいない、ということで今回の公演の開催となったとのことです。

前半は笠原さんが選択した作品の朗読。

あわせる音楽は大部分がバロック音楽のもの。チェンバロだから王道ともいえますけど、朗読の雰囲気にマッチしている感じがしますね。
大作さんの朗読も声の勢いだったり「間」のとりかた等、曲に合わせていて相乗効果を発揮しています。

私の席からだと(ちょっと悪趣味ですが)大作さんが使っている楽譜も覗けるのですが、楽譜に直接「言葉」の内容が記載されているものを使用していたり、「言葉」だけのものと「楽譜」の2部を併用していたりしていました。

 

この辺は音楽「も」やっている大作さんならではなんだろうな~、と。
音楽をやっていなかったら、楽譜に言葉を記載してもなかなか合わせられないのでは? なんて思ってしまいますね。

また前半には「高村光太郎の『案内』」に対して、違う曲を合わせるという趣向もありましたけど、やっぱり全然雰囲気が変わるんですよね。そういうのも一度で実感できるのも面白かったです。

 

ただ、なぜ『案内』という詩を選んだのか、そして、あわせる曲も他がバロック曲だったのに対して、ここだけ「涙そうそう(森山良子)」と「Dear(中島美嘉)」。終演後あんまり時間がなくってできなかったのですが、この辺はもうちょっと詳しくお話を聞いてみたかったな~、と。

 

【11/28追記】

後日、笠原さんに直接お会いする機会があってお伺いしたところ、元々はバロック曲だけでなくもっと最近の日本の曲なども合わせようと考えていたとのことなのですが、そういった曲はその曲の雰囲気などとは別に「歌詞」が想像されて、あわせる「朗読」の邪魔になるのではないか? と考えられたとのこと。

 

また、この「案内」と「涙そうそう」は、詩の内容と「歌詞」の内容にリンクする部分があって(智恵子の名前を呼ぶとか、そんな感じ)、そこも含めてあわせてみた(演奏時にも朗読と曲のタイミングも合わせた)、とのことでした。

 

そこまで考えられているんですね、すごいな~と思いました。

[11/28 追記 ここまで]

 

 

 


さらに、一曲ちょっとチェンバロっぽくない音色(結構低音)での演奏もあったんですよね。もちろん、曲自体がそういう曲ではあるんでしょうけど、選曲した意図なども聞いてみたかったですね。


後半は大作さんが選択した作品の朗読。

笠原さん選択のものよりなんというか、力強い内容というか生々しいというかちょっと毒があるというか。でも、朗読だとそれくらいの方が面白いのかもしれませんね。

また、笠原さんもトークで話されても居ましたけど、朗読にあわせる曲の内容がまた面白かったですね。実際に大作さんと笠原さんでも意見の相違があったようですし(笑)。その辺は感性の違いというか個性なんでしょう。

あとは全体的に、、、

大作さんの言葉の持つ力強さとか、音楽との融合とかもあると思うのですが、単なる朗読というよりは「朗読劇」を聞いているような感覚になりました。この日も大作さんは椅子に座ってのパフォーマンスですけど、目を閉じるとステージ上でスポットライトを浴びて朗々と決めセリフを言っているかのような。


朗読の内容はそんなに長いものではなく、いかにも「詩」的なものが多かったとは思うのですが不思議なものです。

また印象的なのは当然ではあるとは思うのですが、やっぱり「発音」が丁寧ですよね。


たとえば「時計」という言葉は文字にすれば「とけい」ですけど、日常会話で発音するときには「とけぇ」というように伸ばすと思うのですけど、そこをはっきりと文字通り「とけい」と発音されるような感じなんですよね。なんがか逆に新鮮なくらいでした。



あとは、完全に妄想の世界ですけど、

・前日のアナウンススクール+奥村さんの筝の公演
・今回の笠原さんと大作さんの朗読+音楽の公演

アナウンススクールさんの公演は今回見ていませんけどおそらく全然雰囲気は違っていると思うんですよね。その上でそれぞれの出演者の皆さんがお互いの公演をみたら、どんな感想/意見が生まれるのだろうな~、なんて。


出演者の皆さん合同での打上というか意見交換会的なことが開催されて、それをちょっと覗き見したいな、なんてそんなことを考えてしまいました。

(蔵織さん 1500円)