11/09 第二回 新潟アナウンススクール 朗読Live in 蔵織 | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

納多久美子さん:小泉八雲作「雪女」
小柳実さん&宝よなぐさん:池波正太郎作「鬼平犯科帳」より「権兵衛酒屋」
渡辺ヒラオさん:香具師口上「啖呵売」
叶多栞さん:O・ヘンリー作「魔女のパン」
渡辺ヒラオさん:司馬遼太郎作「新撰組血風録」より「虎徹」
小黒亜紀さん:三本のビデオ

 

小柳さん主宰のアナウンススクールの朗読会。この日は東響の「特割コンサート」もありましたけど、小黒さんのピアノ&語りもあるしな~、ということでこちらを選択。

 

ただ、逆に言えば、正直私にとってはメインは小黒さんであり、その他の皆さんは「ちょっと観てみようかな」くらいだったのですけど、実際にみてみると皆さん素晴らしいかったですね。

 


納多さんは非常に落ち着いて聞きやすく、まさに「朗読」という感じであるとともに、音楽(効果音)とピタリとあわせるというのもなかなか難しいんだろうな、と。
また、登場人物も何人かでてくるのですが、そんなに大きく声の雰囲気が変わるわけではないのですが誰の声かがわかるというのもすごいな~、と。

 


小柳さんとよなぐさん。

前半はよなぐさんのソロ。納多さんと大きく違うのは地の文と登場人物のセリフで雰囲気だけでなく声色自体を切り替えていましたし、全体的な間の取り方も工夫しているな~という印象です。この辺は「ナレーション」とか単なる「朗読」というよりは、「朗読劇」というか、ドラマというか演じることに重点をおいているのかな、と。

 

その後、中盤が小柳さんのソロ、終盤が小柳さんとよなぐさんによる共演というようになっていました(ソロという表現が正しいかどうかは別ですけど)。
そういう構成もなかなか面白いですね。

 

またよなぐさんが休憩時間にちょうどお隣にいらっしゃったので、ちょろっとだけお話させていただいたのですが、よなぐさんは「声優」を目指しているということで納得してしまいました。

 


渡辺ヒラオさん、今回で一番特徴的ですよね。私は「香具師」という言葉も知りませんでしたけど、「男はつらいよ」の寅さんの口上というか、バナナの叩き売りというか、あの独特のリズムを生で直接見ることができるとは思っていませんでした。

机をたたく「バンバン」音もいいアクセントですし、面白いです。

 

でも、あの口上はどこまでが決まった文言で、どこからがアドリブなんでしょうね。そんなところを考えるのも面白いです。

 

また2つ目の演目の「虎徹」も、啖呵売にくらべればおとなしめではありますけど、特徴ある声と口調、リズムでどことなくユーモラスな印象なんですよね。
こちらは本当に渡辺ヒラオさん独自の世界というか、まさに「芸」です。

 


叶多さんは今日の演目の中では納多さんとジャンルとしては同じで「朗読」だと思うのですが、やっぱり微妙な雰囲気が違うんですよね。
非常に安定しつつもハキハキとした力強さのようなものを感じましたし、非常にうまいな~、という感じです。もちろん演目自体のもっている雰囲気に合わせているとかそういうこともあると思うのですが、その辺の個性の違いを感じるのも面白いです。

 


最後の演目は場所を蔵からコンチェルトさんのお店に移動しての小黒さんのピアノ&語り。

 

よく「弾き語り」といってピアノを弾きながら歌うというのはよくありますけど、音が連携していない分「語り」は難しいと思うんですけどね。どうなんでしょう。

 

小黒さんの語りというと以前に「最後だとわかっていたなら」という感動の一編がありますけど、今回は感動モノの新作「三本のビデオ」。こちらは準備に2年ほどかけているそうです。

 

実は私は予備知識なくこの演目を聴いてしまうと泣いてしまう可能性がありそうだったので事前にYouTubeなどでストーリーを把握して耐性をつけておきました。
さすがにいい年したおっさんが涙を浮かべたら恥ずかしい、と思ってのことなのですが、結果的に大正解でしたね(汗)。


やばかったです。

小黒さんの美しくもはかなげな声はこういった雰囲気の演目にぴったりですね。
まだ地の部分を語っているときにはまだ大丈夫なのですけど、サキちゃんへ語りかけるお母さんのセリフ...あれはダメです(汗)。


また、今回はピアノの場所の関係で演奏をしているときは小黒さんを後ろから見ることになるので表情等はまったく見えないのですが、それがまた一層雰囲気を増大させているような感じすらしますね。なんとか私は泣かずに耐え切りましたけど、予習していなかったらまずかったと思います(汗)。

 

ただ、演目が終わってこちらを向いて挨拶する小黒さんはにっこり笑顔なんですよね。そのギャップがまたすごいです。プロですね。

 


全体的に一言で「アナウンス」といっても、いろいろ感情豊かですが綺麗で聴きやすい「朗読」だったり、声で演技する「声優」さんだったり、伝統的な「芸」だったり、ピアノと語りなどなど、
いろいろな技術、内容で非常に堪能させていただきました。

 

今後も、小黒さんは1月にはスタジオAでソロリサイタルがありますし、4月には東京音大校友会のコンサートにご出演が決まっており、東京音大の方では「最後だとわかっていたなら」の語りも予定しているそうです。

 

また、それ以外のみなさんも現時点で活躍されている方もいらっしゃいますし、今後本格的に「アナウンサー」だったり「声優」を目指す方もいらっしゃいます。私も今後もひっそりと応援していきたいな、と思いましたね。

 

(蔵織 1000円 飲み物とチョコつき)