ソプラノ:柳本幸子さん
ピアノ:斉藤晴海さん
東京交響楽団さんの公演終了が19:15頃。ちょいと急ぎ気味にそのままスタジオAへ。
重量級(笑)の公演が続きますが、柳本さんの公演です。
今回は満月の夜にあわせた公演(去年もあったかな、、、と思いましたけど、私が観たのはおととしでした)。
柳本さんは非常にたくさんの本番をこなされていますが、私自身は今年2月に可児さんでの経麻朗さんとのインストアライブ以来。さらにいえばスタジオAでのISISシリーズ(今回は番外編ですが)を観るのは結構久しぶりです。楽しみにしていました。
スタジオAに着くと開演時間も近いということもあり、席もほとんど埋まっており、私としては珍しく最後列に空き席をみつけ座ります。
それにしても、日曜の夜、それも19:30という結構遅い時間にもかかわらず非常にたくさんのお客さん。もう、さすがとしかいいようがありません。
会場には満月が照らし出され、芒と狐の面が飾られ、そして、虫の音が聞こえてきます。
今回は番外編ということでいつもの猪爪先生の絵画はありませんけど、会場の設営というか雰囲気も非常にこだわりがありますね。
※さらに私はすぐに座ってしまって公演中も気づかなかったのですが、床には赤い敷物がしかれ落ち葉が散らされていたりもしたんですね。。。
時間となり、雅な感じの衣装を身につけた柳本さんと斉藤さんが登場。
柳本さんが青、斉藤さんがピンク。非常に美しくも風流です。
そして曲に関する深い知識のトーク、そして、語り、そして、演奏。
一連の流れが美しすぎます。
また「満月」にちなんでいることもあって、日本の歌曲中心のプログラムではありますけど、
単純な「うた」ではないんですよね。
実際に「お六娘」や「舞」は小規模の「歌劇」みたいなものとおっしゃられていましたけど、声での表現だけではなく表情、小道具も含めた振り付け、語り、もろもろ合わせて「柳本さんの芸」というかオリジナルの世界、雰囲気です。
静寂時の緊張感と、盛り上がったときの迫力、そして1曲終わったあとに空気が緩む感じの差がすさまじい。
さらには、斉藤さんのピアノも柳本さんの世界を一層盛り上げていました。おもわず「すごいな~」とため息がもれてしまいますし、実際に1曲終わるごとに観客席から「うわ~」というような感嘆の声が聞こえてきます。
プログラムの中には曲そのものは非常に聴きなじみのある曲も多いのですが、そういう曲もすべて柳本さんオリジナルに聴こえてきてしまいます。
1時間半弱、雅な世界を堪能しました。
最後には会場の観客含めてみんなで歌うのも恒例ですね。
あとは一つだけ思うことがあるとすれば、お客さんの数は多いですけどどちらかというと年配の方がほとんど。
柳本さんが主宰する歌声ひろば「野ばら」「ともしび」も大人の皆さんですし、チケットはいつも早めに売切れてしまいますし、公演日程的にも今日は日曜夜公演ですが通常のイシスシリーズも基本的には平日昼間の開催ですし、若い人はなかなか日程的に難しいとは思うのですが、ぜひ若い人にも観て欲しいと思う公演です。いろいろ刺激を受けることが多いと思います。
(スタジオA 前売り 3000円)