06/10 月は東に日は西に | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

ソプラノ:横田聡子さん
クラリネット:林佳保里さん
チェンバロ:笠原恒則さん

執事(ナレーション&演出):桂木農さん

なかなか珍しい編成の公演です。似たような編成としては、クラシックストリートでチェンバロとクラリネット(笠原さんと広橋さん)というものだったり、2年前に横田さん、林さんにピアノの石井さんが加わる形での公演がありましたけど、上記ともまた違った趣となりそうと期待していました。

また、公演名も「月は東に日は西に」というちょっと意味ありげな題名がつけられています。
題名からは昼と夜をうまく表現するのに照明くらいは工夫はされているのかな? なんて予想はしていました。

開場時間くらいに会場のスタジオAへ。
中に入ると、椅子の配列が通常と違って「コ」の字型になっていますし、キャンドルやお花などが配置されていますし、譜面台も通常のものではなくアンティーク家具風のものが使われています。なかなか独特のいい雰囲気に仕上がっています。

時間となり、執事の桂木さんの進行で進んでいきますけど「今日はサロンコンサートをお楽しみください」とのこと。桂木さんの恭しい口調も今回の公演にぴったりとはまっていますし、非常に凝った会場設営、演出ですね。

3名が登場し、女性のお二人は華やかな青系のドレス。美しいです。

また、演奏も珍しい編成ですが違和感的なものを感じさせないすばらしいものになっています。トリオでの演奏だけでなく、いろいろな編成でたのしまさせていただきました。
また演奏後の挨拶も女性陣は普通のお辞儀ではなく、ひざをちょっと曲げる挨拶(高貴な人がよくやるような感じのもの)だったりして、こういった細かいところまで配慮されています。

会場や演出も含めて、非常に高級感というかプレミアム感があるものに仕上がっていますね。

前半は夜明けからお昼までをイメージした進行だったのですが、休憩後は夜をイメージした内容へ。まずは白のドレスに和服を合わせた横田さんが登場。この衣装は去年のラフォルジュルネのプレ公演を思い出させますね。
日本の曲を2曲歌った後は和服をはずして純粋に白のドレスになったのですが、随分と印象が変わります。

その後は黒のドレスに着替えた林さんが登場。横田さんの白との対比が際立ちます。

また、照明も夜のイメージということで暗く落とされたのですが、それが後半の最初からではなく後半が始まってから徐々に暗くなっていくのもいい演出だと思いましたし、
途中、飾られたキャンドルに灯がともされると、灯りがつくことによってよりいっそう全体の暗さが引き立ちますね。

さらには、執事役の桂木さんが大活躍の「膀胱結石手術図」。私はクラシックストリートに続いて2度目でしたので「ニヤリ」としてましたけど、ちょっと雰囲気の違う、非常にインパクトのある演目にびっくりしたお客さんも多かったのではないでしょうか(笑)。

最後の「死の舞踏」では皆さんマスクを着用してのご登場。曲の雰囲気ともあわせて非常に神秘的というか、背徳感というか、魅せてくれますね。

全体的に演奏がすばらしかったのはもちろんですが、それ以外の、会場設営だったり、小道具、照明、桂木さんの執事っぷりなどもろもろの演出によって、皆さんが作り出す世界「高貴なサロンコンサート」に惹きこまれる素晴らしい公演でした。

また執事の桂木さん以外の3名は公演中一言もしゃべらなかったと思うのですが、そういったこだわりもまたヨシですね。

笠原さんの公演は先週のチェンバロ二重奏に続き2週連続です。
また来週はフルート市橋さんとの共演がありますし、本当に大活躍ですね。
私自身は来週はNoismの新作公演とかぶってしまいいけないのが残念です。あらかじめわかっていれば、Noismも別の日のにしたのですが...


(スタジオA 前売り 2000円)