05/30 中央高校 第9回公開ピアノレッスン&コンサート「ロシアンメソッド」 | いぽぽぽぱんぱのブログ

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主に聴きに行った演奏会のことを書こうかと。

新潟市で2011年から演奏会に頻繁に行くようになりました。
主に地元で活躍されている演奏家さんメインです。
楽器経験もなく技術的なことはまったく書けません。
素晴らしい、楽しいなど抽象的な感想になると思います。

先生:アルチョム・アガジョーノフさん
通訳:藤本夕子さん

レッスン生:田中健太郎さん
レッスン生:鈴木莉歩さん

司会:岡田花菜子さん

中央高校のロシアンメソッドの公開ピアノレッスン&コンサートです。

まず最初に、私がそもそも理解していなかったのですが、
「ロシアンメソッド」というのはピアノの演奏方法なんですね。

なんとなく、ロシアの先生から指導を受けるというそういう交流すること自体をロシアンメソッドとか、
そういっているのかと思いました。

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会場に入って席を2階に確保して、まずはロビコンだったのですが、
既にホワイエには中央高校の生徒さん(ほとんど女子生徒)でいっぱいですね。
ちょいと普段の公演の雰囲気との違いにびびります(笑)。

ロビコンは
フルート、オーボエ、チェロ、サックスの四重奏。
結構珍しい編成だと思うのですが、素敵なアンサンブルでしたね。
特にオーボエに音色が素敵だな~、と思って聴いていました。

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本公演はまずは先生であるアルチョム・アガジョーノフさんの演奏。

さすがの落ち着いた演奏です。お見事ですね。
特に最初に演奏したアガジョーノフさん自作の曲の、
左手が一定のリズムを保って演奏するのに対して、
右手が本当に自由な感じで演奏されているのが非常に面白いな~、と感じました。

あとは、ちょっと演奏そのものとは違うのですが、プログラムは全部で4曲(そのうち1曲は組曲的な感じで2曲の小品に分かれているのですが)。
それを曲の紹介等なくすべて連続で演奏していたんですよね。

ただ、それだけだったら別によくあるとは思うのですが、
1曲終わった時に、次の曲に行く間も緊張感を保ったままで、観客が拍手する雰囲気を与えなかったことですね。
たとえていうなら、すべての曲が1つの大曲となっており、各曲はそれぞれの楽章となっているような...

個人的には楽章とか組曲演奏中は拍手をしないというのはマナーというかそういうものというのは認識していても、曲間は、その時の雰囲気で拍手が起きたり、起きなかったり、自分でも拍手をするべきかどうか迷うときがよくあるのですが、
今回はごく自然に拍手するべきではないな、と感じてなんだか新鮮でした。

もちろん、最後の「喜びの島」の演奏が終わったときには思いっきり拍手です。

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休憩のあとはメインイベントの公開レッスン。
もちろん、私では指導の内容を理解できるわけもないのですが、非常に熱心なレッスンで見ていても面白かったですね(面白いという表現が正しいかどうかはちょっと微妙ですが)。

また、通訳を担当された藤本さんもすごいな~、と思いましたね。
即座に先生の言葉を日本語に直すだけでなく、口調というか雰囲気も再現しているように感じました。もちろん、藤本さん自身もよいピアニストであり、よい指導者なんでしょうね。

時に言葉で、時には並べられた2台のピアノで、時には直接生徒さんの横で内容の濃いものでした。直接レッスンを受けるお二人はもちろんですが、見て、聴いていた観客にもよい経験になるのではないでしょうか。

時間もおそらく予定の時間を相当オーバーしていた感じですね。
ただ、お二人合わせて2時間弱だったのですが、観ているほうもあっという間の感じでした。

--以下、いろいろ雑記です--



「ロシアンメソッド」はピアノの演奏方法、ということでしたが、そこに行くまでに、
・楽譜を注意深く見て、そこに書いてあるすべての記号、内容を把握する。
・その記号がどうしてそこに記載されているのか? という作曲者の意図を理解する。
・理解したうえで(たとえばffなどでもおとの強さの幅があるので)、最適な音色で表現する。
・最適な音色を表現するためには、それに合った正しいからだの動きというものがあるのでそれを習得する。

等々、ものすごい段階があるんだな~、ということがほんのちょっとだけも少しだけでも理解できた、というか、
大変なんだな~...ということが改めて感じられました。。。


ただ、「作曲者の意図を理解する」ためには、
その曲の楽譜を見るだけではだめで、そのときに作曲者の年齢や境遇、他の曲などもいろいろと勉強しなくてはいけないというのが、
さらに大変なんだな~、と思わされました。
「この曲のこの部分はブラームスの曲らしく力強く」なんていうのは、その1曲だけを見ただけでは絶対にわからないし。


ここは「ホルンが奏でているように」「ここはトロンボーンが奏でているように」なんていう表現も、曲全体というか作曲者がやりたいことを理解していなければできない表現だよな~、と思ってしまいましたね。


こういった概念的というか理解の仕方というものだけでなく、ペダルの踏み方とか、鍵盤の押し方など非常に細かいところも結構指摘されていましたね。
特に、常にそうしなくてはいけないということではなく、曲とかその場面に寄ってなのでしょうけど、
「鍵盤をしっかり押す」ということを本当に繰り返しおっしゃられていたのが印象に残りました。


レッスン生の田中さんと鈴木さん。それぞれレッスンの最初に曲を通しで演奏したのですが、
それを聴く限りは私なんかはお二人とも「うまいな~」ですよね。

先生のこれだけの指導を受け止めるためには、生徒の方もそれなりの下地がないと無理だよな~、とは思ってしまいましたね。


レッスン生お一人目の田中健太郎さん。私は初めてお見かけするのですが第一印象では本当に失礼ではありますがピアニストっぽくみえずにスポーツ少年みたいでした(汗)。
こういう意外性は非常に印象に残りますね。


お二人目の鈴木さん。鈴木さんは去年の県コンだったり、石川先生門下のチャリティコンサートでも素敵な演奏を聴かせてもらったのですが、そこでは赤いメガネが非常に印象に残っているのですが、今回は制服にコンタクト(もしくは裸眼?)。赤いメガネが印象に残っているなんて覚えていると、こういうときにご本人だとわかりませんね(笑)。


会場で配られていた今年度の中央高校の入学案内資料をもらってきて(内容が充実していて読むと面白い)確認すると、今年入学した新1年生の中でピアノ専攻の23名のうち、21名がロシアンメソッド専攻を選択しているようです(2年生、3年生は半数くらい)。
でも、こんな充実したレッスンを公開されたらロシアンメソッドを選択したくなるのもわかりますね。


でも、中央高校音楽科、もちろんロシアンメソッドだけではありませんが、本当にすごいですね。こういう環境が公立高校で準備されているというのは本当に素晴らしいことだと思います。

今後も生徒さんのご活躍を期待したいですね。

(りゅ~とぴあ コンサートホール 無料:ただし要整理券)