それはさておき、比較的最近に編集部内で流行った小説といえば、実は吉屋信子『花物語』(最近復刊されましたから)だったりしまして、あと2カ月に迫った一迅社文庫大賞ですが、これくらいのクオリティがあれば編集部一同絶賛しましょう、と書こうとしたところ、T澤さんから「なんで君はそんな無暗にハードル高い」と言われました。
しかし、ファンタジーの基準は『氷と炎の歌』、経済小説の基準は『タフの方舟』、「器用な作家」の基準がその両方を書けること、というT澤さんにはハードル云々を言われたくは……。ところで私は、『フィーヴァードリーム』って、"FeverDream"だとずっと思ってました。
さて、『フィーヴァードリーム』といえば吸血鬼、吸血鬼といえばというわけで、8月新刊『Le;0-灰とリヴァイアサン-』のご紹介です。我ながら実に淀みのない流れ。
なお、タイトルは、「Le」は「Leviathan」の略、それを0にというころで、言うなればゴミゼロ運動みたいなものです(もっと他に良い言い方があるだろう)。
あらすじ
地殻変動によってバラバラの島々となり、リヴァイアサンと総称される大海獣に脅かされるようになった日本。リヴァイアサンに対抗できる存在は、ヴァンパイアと、サイクラーと呼ばれるそのパートナーのみ。
そんな島々の一つ・大蒜島に流れ着き、島をリヴァイアサンから守ることになったヴァンパイアの姫乃とサイクラーの顕九郎。二人の活躍で島は平穏へと向かうかと思われたが、顕九郎の過去を知る存在がその魔手を伸ばしてきたことから、島へ最大の危機が訪れることに……。
主な登場人物
稲月姫乃(いなつき ひめの)
顕九郎と共に大蒜島に流れ着いた吸血鬼。吸血鬼でありながら日の下を日傘一本で歩きの、水着姿でリヴァイアサンを屠りの、八面六臂の活躍をします。
あと関節技が得意。
葦倉海景(あしくら みかげ)
大蒜島の吸血鬼の一人。少年とも見まがうような風貌で、直情径行な性格。
四方屋茜(よもや あかね)
大蒜島の吸血鬼の一人。ひょうひょうとしていて、あまり細かいことに頓着しないたち。
八角真香(やすみ まなか)
大蒜島の吸血鬼の一人。タカマルという名の鷹と心を通じ合わせることができます。
……鷹だからタカマルという名前はどうなのか。たかまれ。
椚顕九郎(くぬぎ けんくろう)
主人公。船酔いに弱かったり、いろいろ大変です。
カラーの絵はない。
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太陽、海、そして水着。夏にふさわしい、渚の一大アクションでございます。ご期待ください。
あと、前回私が書いた「博打列車編で三井が使った鏡トリック」、「単行本になってない部分だからよく覚えてねえよ!」と知り合い3人くらいに言われたので解説しますと、正規の数より全然足りない山を、鏡を二つ使ってその鏡像を相手に見せることにより正規の数足りているように思わせるという、「気付かないわけねえだろ!」と言いたくなる豪快なトリックです。
この後、ブー大九郎さんが「そんなに髪型が気になりますか~~ッ!!!!」と叫ぶのも名シーンでした。(H田)
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ちなみに8月の一迅社文庫4冊セットで購入されたかたには、特別に本作の着せ替えカバーなどプレゼント。
気になる絵柄はこちら!
もちろん、この着せ替えカバープレゼントは嘘ですから、本気にしないように。
デザイナーの木緒なちさんがこっそりネタで用意してたので、いただいてきました。H田君が更新を終えて油断してる隙に、こういうネタを追記する芸の細かさはT澤流です(T澤)