前回からの続き・・・第4話


夏頃から、訪問頻度は増え始めた。平日の日中は他の企業との兼ね合いもあり、平日の夜と休日の日中に訪問し、公開準備の状況を完全に把握しようとしていた。

また、会社側も公開引受部、引受審査部との信頼構築及び向上するために、書類提出の期日をきっちり守り、引受審査部の質問による回答も迅速に行ってくれた。

こうした地道な動きは、ボディーブローのように効いてくる。なぜなら、期日に正確な書類が出てくることは、上場後の開示体制も問題ないという印象につながる。


企業側の努力も実り、真夏には、上場申請は問題ないと、社内ではオーソライズされた。

公開引受部からも、そろそろ申請後のスケジュールを会社側に提示すると言われ、ホッとした。


スケジュール提示

会社側にスケジュールを提示に、上席者と同行した。

社長は笑顔を魅せながら、喜んでいた。

小職も社長との約束が守れそうになったので、少し安心した。


主幹事証券との信頼構築において大事なことは、期日に正確な書類を提出したり、企業側からでた年度予算が月次でその通り、業績数値が出ることを続けることである。


次回・・・「一転暗躍」こうご期待!







前回からの続き、第3話!


つゆ明けの頃から合併してくれる方の引受審査部も入る頃、ある日企業に訪問し社長に呼ばれて、CFOとミーティングを実施した。相変わらず社長は年内上場を熱望し、どうなってるか根掘り葉掘り聞かれた。

小職は、何の根拠も無く社長に、

「申請期の業績は確実に出してもらわない

と、社内に説明できないので、社長は業績に専念して下さい!公開準備はCFOとやりとりします。やばい話が出てくると困るので、必ず月1回は報告の時間を作ってください!」

社長は了解してくれた。


小職は、会社に戻り公開引受部の担当部長に包み隠さず正直に報告をした。今思うと、サラリーマンとして、後々リスクになることは真っ先に報告しないといけない意識が芽生えた頃でもあった。

また、小職は企業側にも年内上場をほのめかしたため、社内のネゴシエーションに走った。公開引部の担当者には怒鳴られたり、担当役員連中にはその都度、その企業の概況説明したりしていた。ある種、社内で企業の広報活動をするようなものであった。


証券会社内部で説明するときの留意点

基本的に上席者は、ベンチャーは海のものとも山のものともわからないという認識があるため、説明資料をきっちり作成し、説明しなければならない。

証券会社も営利企業のため、ある役員はIPOによる引受手数料が大きくない案件は、あまりやりたがらない傾向にある。


よく企業に主幹事を獲得するときに、「小さく生んで、大きく育てたいので主幹事やらして下さい!」という営業トークがあるが、実際は、IPO準備にかかる労力は一緒なので、ディールサイズが大きくなればなるほど、優先される。

この案件についても例外ではなく、調達予定金額が一桁億だったため、優先されることはなく、特に苦労したのは、合併する側の銀行系証券会社の幹部に説明することであった。

実際、「この企業大丈夫か?」と言われ、胡散臭いとも思われていた。

理由は、20歳代の若手経営者だからである。小職は年がとってるから、偉いのはおかしいのではと思い始めたのが、ちょうどこの頃であった。


常に言葉は罪で、一言一言表裏が存在する。



次回、こうご期待!

・日興の旧経営陣に対し、民事訴訟の提起。

https://www.release.tdnet.info/inbs/34170930_20070423.pdf


3人に対し、33億6000万って巨額ですね。でも日興證券の給与体系って、シティーが入ってから、成功報酬型モデルにしたから、相当もらってたんですね!


きっと、プレスリリースは世間に対してのしめしだけど、実際はそれ以上に当事者に支払ってるんでしょうね!


大企業の金融の役員の生涯賃金も公表すべきですね!


ライブドアがかわいそう!日興もライブドアも一緒なんだけどなぁ!

前回からの続き

企業からみた主幹事証券は皆一緒に思えるが、実態はそうではなく企業側による企業部担当者と中立な立場を維持する公開引受担当者と、投資家保護の観点に立つ引受審査部担当者に分かれる!

前回、お話した通り、大事なことは、三者に企業を惚れさせることである。


企業部はいつでも企業に触れ合うことができ、その企業の長所、短所をみて、社内にアナウンスしていくのである。


公開引受部は、企業の実務能力をウォッチしながら、期日に出てくる書類を精査し、改善させていくのである。


引受審査部は、出てきた完成書類を精査し、実際本当かどうか確認していくのである。


ただ、各担当者は、当然人間であり、レベルの上下、人間性で、各企業の見方が変わっていくものである。


さて、前置きはこれぐらいにして、2001年上場した会社の話の続きをしよう!


当時、小職が在籍してた会社は、銀行系証券との合併発表後であったため、公開引受部の担当者はそれぞれ1名おり、引受審査部の担当者もそれぞれ1名おり、審査が二段階行われるスキームであった。

企業側からみたら、作業が増加し大変だったと思う。

つまり企業部→公開引受部→引受審査部→取引所審査というパターンではなく、引受審査部が2回行われるスキームである。


企業側からは、「合併発表の影響はないのか?」と尋ねられると、「それはありません!」と言い続けたが、実際はそうではなく合併の影響は、あった。むしろ軽い差別みたいなものがあった。小職が在籍していた証券が吸収される立場であり、銀行系に主導権があった。

社内のネゴシエーションは、小職が力不足だったため公開引受部の担当部長がしてくれた。

この方は、元々大手証券で企業部長をしてた方で、「社内のネゴは俺がするから。企業に飛び込め!」と教えられた!


とにかく小職は必死だった。あの企業だったら、あの社長だったら、絶対投資家にこたえてくれると確信していた。

ポイントは、有言実行である。有言実行は、信頼と世間でのブランディングが構築できるため、上場企業にもっとも適した、体質であった。この企業はその部分だけは、信じることが出来た。


今夜はこの辺りで・・・おやすみ!

   


<2001年に上場としたとある企業のお話>


5年たったいまでは1000億円時価総額があり東証1部上場企業!

2001年の産声はまだ33億円の時価総額!


元々、2001年1月に企業部として、ファーストコンタクトし、同年3月に公開引受部、同年6月に引受審査部が入り、10月に上場申請し、11月に上場承認を受け、無事、12月に当時NJに上場!

(今の基準じゃありえないスピード上場)


当該会社の社長は、常に有言実行をし続け、社内においてカリスマ的存在な人間でいた。

この時期の上場はどこもスピード上場を目指しており、当該会社においても、例外ではなく、2001年の夏頃から、訪問するたびに、「上場日までのスケジュールを出してくれ!」と言われ続けた。

ある日、社長室に呼ばれ社長から、「12月に上場したい。理由としては、当社が12月に上場すると、全社員にすでに、伝えており、社員に約束を守ってきた自分が、約束を破ると、求心力が低下してしまう。」と、言われた。

この時の小職は、社長を尊敬し崇拝しており、12月に上場できる方法を模索していたのだ!

ここから、社内ネゴシエーションのはじまった。

当該会社のプロジェクトには、企業部のライン部長とは、ほとんど話をせず、公開引受部の担当部長に話をし、公開引受部の担当者と話しをした。

真っ先に、公引の担当者に怒鳴られた!(今思うと当然である・・・)

「何で、書類も完全ではないのに、そんなことを社長と話すのか?」

しかしながら、担当部長は、

「できるのなら、やってみよう!」と言ってくれた。

企業部マンで一番大事なことは、担当企業を惚れることであることと、担当企業の素晴らしさを社内で伝え続け、ネゴシエーションすることである。


ここから、社長、CFO、小職、公引担当者、審査担当者がめまぐるしい動きがはじまった!

次回にご期待!