自称、最強コンビの僕たちは2年や3年に遠慮することもなく、中学生活を謳歌していた。

やがて4月になり2年になった。

2年になるとクラス替えがある。
僕たち自称最強コンビも別々のクラスになった。
1年の間、いつも一緒にいたから、考えたことも無かったし、心配もしてなかった事が起こりはじめた…

1学期くらいまではよかったんだけど
夏休み後半くらいから、そいつの態度が変わっていった。
僕を避けているように感じる事があったんだ。
気にしすぎなのかなと言う思いもあったが、その不安は3年になってから最悪の想い出となる。




2年の冬休み明けに、3年から呼出をくらった。

3年にはいくつかのランクがあった。

ガタイがよく見た目にもかなりイカツイ政岡恵三。たぶん喧嘩最強だったと思う。硬派な性格で近寄りがたかったが、カッコよく、マサと呼ばれていた。
イケメン、ロン毛、スポーツ万能憧れの存在、野田拓也。男からも女からも人気があり、タクヤと呼ばれていた。
この2人はヒーロー的不良で人気を二分していた。正確にはタクヤ6割だった様に思うが…

この2人とは逆で、悪者タイプの…
アフロでデブの溝口。とにかくすぐに喧嘩を売る。殴る、蹴る。そして折る…
恐怖の存在、溝口っちゃん。
無口でデカくて、本気でやったらこの人が最強だ。なんて噂もあった、大徳。

この4人が間違いなくAランク。
4人で連むことはなかったものの、事が起こるとマサが声をかけて足並み揃える感じだった。
そう言う意味ではマサがSランクなんだろうと思う。

先の2人、マサとタクヤは同じ敷地内に住んでいて、僕の家の斜向かいだったし、子供会が一緒だったこともあり、顔見知りで出会うと挨拶を交わすくらいの関係だった。

ヒョロっとして気さくな小根。
小さくて色黒の桐谷。
フレンドリーな水谷。
この辺りがB。

その他、取り巻きがCと言ったところか…
名前すら覚えてない。

僕を呼んだのは

溝口だった…

取り巻きAが2年の教室に来て、名指して僕を呼んだんだ。

「溝口っちゃんが、呼んでるから来いよ。3年の便所な。」

マジかよ…なんで僕…怖えぇ…
マジかよ…マジかよ…

もう本気でビビりまくったのを覚えている。

でも、無視する訳にも行かないし、取り巻きAは待ってるしで…渋々行く事にした。

もともと表情に出にくいから、周りも僕が本気でビビってるとは思ってないだろうしなぁ…誰か助けてくれ~。

確実にボコボコにされるだろうな…
下手したら肋骨くらい折られるかも…

もう最悪だーー‼︎

1年はビビって入れないだろうゲーセンや
喫茶店なんかにも2人で通った。
2年や3年はもちろん高校生もいたけれど、全く臆することはなかった。
僕はいつしか、そいつを憧れの眼差しでみていたんだ。

小学校から同じだったけど同じクラスになった事はなく、話した事もなかった。
父親はパチンコ店を経営している実業家でお金持の家だったので、小遣いには不自由してない様子で、よく奢ってもらったりもした。

そんなある日…
臆することなくゲーセンに出入りしていた僕たちに、業を煮やした2年が因縁をつけてきた。

「おい!お前らここで何やってんだ~?」

「ゲーム…」

「はっ?なめてんのか?この野郎!ちょっとこっちこい!」
と肩をつかまれて奥に連れて行かれそうになった。

そいつは言った。
「うるせぇなぁ…」

「なに⁈てめぇこの野郎!いまなんてった?あぁ~⁈」

「うるせぇ…」
と言うや否や、2年の股間を握ったんです。

「あっ…」
っと情けない声を上げた2年は戦意喪失でしたね。

僕は奥に連れて行かれて、ボコボコにされると…ビビっていたのに…

その日を境にその2年とは友達になっていた。

無事、小学校を卒業した。
6年と言えば主だったのに、また1年になった。

世の中では不良、非行少年、校内暴力などの言葉が流行っていたころだった。
学校では悪かった3年が卒業し、おとなしい2年が3年になり、卒業生に兄貴がいる1年が2年になった。
だから、2年が我が物顔で校内を闊歩していたんだ。
僕は5年くらいから身長が伸びはじめ中1のころには170センチを超えていたと思う。
同じクラスに同じ位の身長のやつがいて
家も近かったので、すぐに仲良くなった。
そいつは肝の据わったやつで、我が物顔の2年にも全く動じることはなく、僕にいつもこう言ってた。

「俺らのコンビ最強じゃん^ ^ 2年とか関係ないし!やっちゃおうぜ!」

やっちゃおうぜって…

もともとは内気で気弱な性格の僕は
そんなことにならない様に祈っていた。