※6月頃のFacebookの記事を編集しています。
最近、湿度が上がって来たからか弦高が高くなってハイポジションが弾き難くなってきました。
2月にベルギー駒に変えて音量や音質は気に入ってたのですが、そもそも、自分の楽器は古い楽器と言う事もあってネックが下がり気味の為、駒の高さを下げ難いベルギー駒だと自然と弦高が高めになります。
冬場だと未だ多少頑張れるかなと言う程度ですが、既に、見た目から「高いなぁ」と言う状態で、ソロでハイポジションをあまり弾かない様な場合はともかく、今月末と9月にもチェロアンサンブルでハイポジションばかりのコンサートがある為、今回フレンチ駒へ交換する事にしました。
いつもの様に駒の脚部に位置決めのマスキングテープを貼り、魂柱の上付近にクッションと毛布を乗せてスーリーのタイロープで締め付けて魂柱が倒れない様にします。
交換終了
調べると以前ベルギーからフレンチへ戻したのも2年前の6月で同様にチェロアンサンブルの前だった様です笑
この時期は湿度で楽器が膨張する様で、交換前に測るとベルギー駒でA線の端で7mmあり、フレンチ駒に交換後は5.5mmと随分差があり、これだけ違うとハイポジションも非常に楽になります。
そう言えば、指板のポジションシールはフレンチ駒の時に貼ったのですが、ベルギー駒に交換してから場所が1mm程ズレてましたが、フレンチ駒に戻すと元通りになりました。弦高が変わると音のツボも変わります。
弦高の問題は解決したのですが、但し、音がイマイチな印象。
ベルギーのハツラツと前に出る音色を聴き慣れていると倍音は良く鳴るものの音が楽器の周囲だけにまとまってしまう感じで、遠くの音をモニターすると広がり感が減少した感じです。
只、暫く弾いてて気が付いたのが弾き方でした。
ベルギー駒とフレンチ駒って弾き方が違うんですよね。
ベルギー駒は華奢で駒が薄い為、弓圧の変化に敏感です。
例えば弓の位置が同じでも弓の圧力を変化させる事で広範囲にダイナミックレンジを変える事が出来るので、弓の位置×圧力でフレンチ駒より表現の幅が広いと言っても良いでしょう。
ところがフレンチ駒の場合は厚みがある為、弓圧の少々の変化では音色が変わらない為、ベルギー駒よりも弓の位置を駒寄り指板寄り共に意識してレンジを広げる必要がある様です。
ベルギー駒の弓圧による変化が2、弓の位置を2で変化があるとすれば4、フレンチ駒の圧力変化が1.5、弓の位置は同じで2とすれば3にしかなりません。
つまり、結果を同じとする為には、今までベルギー駒で充分音が出ていた場所よりも意識してやや駒に近い場所を弾かないと同じ音量が出ない様ですし、柔らかい音色を出そうと思えば、これまで以上に指板寄りに弾く必要がある様です。
ほんの僅かな差ですが、気が付くのと気が付かないのでは大違いです。
又、フレンチ駒を上から弓で圧力を掛けても、ベルギー駒程、駒の形状が変化せずに、そのまま弓で箱を抑え込んでしまって鳴らなくなる為、フレンチ駒で大きな音を出そうと思えば駒に近い場所を可能な限り圧力を掛けずに弾く様にするのが大切だとあらためて分かりました。
これは2枚の駒を使い分けて初めて分かる事ですが、世の中のアマチュア奏者の中にはベルギー駒を知らない人すら居るので意味わからないでしょうね笑
ちなみに、これまで、弦高が高かったのもあって押さえやすいワーチャルのアンバーのメタルAを張っていましたが、この弦はフレンチ駒とは相性が悪い為、ラーセンへ戻しました。