またオークションで弓を落札しました | iPhone De Blog

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先日、久しぶりにオークションで又弓を落札しました。
 
チェコのAKORD KVINT社のHARALD LORENTZと言うレーベルの弓です。
 
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このAKORD KVINT社の楽器は日本にも入って来ており、廉価版にしては、評価が高い楽器が多い様ですが、弓の情報は殆ど無いので、弓はそれ程日本には入ってないのかもしれません。
 
自分の落としたHARALDはこのレーベルの中でも最も低いレーベルですが、このAKORD KVINT社は中国等に外注せずに、自社の職人で全て製造し、材料もチェコの材料を使っており、製品のレビューやアドバイスをチェコを代表する四重奏団のドボルザークカルテットがやってる様で品質は良さそうです。
 
自分もオークションの写真を見て、ヘッドの型やその他の仕上がり等が良くチェコ製と言う事で落札しました。
 
出品者は個人でしたが、価格は即決で6万円と言う安さで消費税も掛かりませんし、弓ケースまで付いて、送料無料とお得でした。

意外に簡単に落札できたのは出品されていた写真の数が少く、撮影した角度や写りが今ひとつだったからだと思います。

私自身、落札する前に、このAKORD KVINT社の事を調べて、品質は間違い無いだろう。と判断したからで、無名の弓や中国製だと間違いなくスルーしてたと思います。
 
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出品されていた写真を見た感じでは使用頻度が少なく、どの程度使っていたのか分かりませんでしたが、落札した後に出品者へ確認したところ、20万以下くらいで譲って2年ほど前に貰ったとの事でした。

このAKORD KVINT社のこのレーベルのバイオリンが凡そ20万前後なので、それと価格を比較すると弓は相対的にはかなり良い物だと思いますし、それ以前に弓はそれ程作って無いのかもしれません。
 
届いて試奏した感想ですが、音色は明るく、かと言って、新作に有りがちな固さが少なく音量も有り、持ったバランスも非常に良く、全弓、弓先までしっかり使えます。
 
特に、今のメインの弓よりもスビッカートが非常に簡単になり、即、メインの弓になりました。
 
弓の腰の強さと言うのは、弓を自分の好みの強さで張った時に竿と毛の隙間を測ることである程度推測できます。
 
つまり、腰の強い弓と言うのは、張っても反りを維持しますが、腰の弱い柔らかい材料=材料が新しく、シーズニング期間が短い為、水分が多く柔らかい弓=中身が詰まってない弓や長年の使用で材料が弱くなってる弓=腰が抜けた弓は、弓を張ると弓の反りが無くなって隙間が広くなります。
 
ちなみに、隙間が広くなると、何故良くないか?と言うと、実際に操作してる竿の部分と実際に弦に当たってる毛の距離が離れる為、微妙なコントロールができ難くなるからです。
 
例えば、チェロ以上の弓だと真ん中付近の方が手元よりコントロールし易く、コントラバスのジャーマン弓が手元より真ん中から弓先の方がコントロールし易いのと同じです。
 
この隙間が広くなると、いわゆる「どてらの上から背中を掻く」と言うのと同じになります。
 
ただ、腰が強ければ良いのか?と言うとそうでも無く、絶対真っ直ぐにならない金属製が良い訳ではない様に、張った状態で竿に適度な弾力性が必要となります。
 
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※ラッピングの銀線の巻きも綺麗でしっかり巻かれています。
安い中国製はこの辺りに難がある製品が多いです。

 

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※パールアイの仕上がりも非常に綺麗で、貝もムラが無い良い部分を使ってる様です。

 

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※フロッシユの下回りの平滑度も高く、選ばれている貝の模様含めて、こちらも仕上がりが綺麗です。

 

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※フロッシュ周りの銀材料も白っぽい為、洋銀では無く、銀を使ってるのではないかと思いますし、グレードの割に良い材料を使ってると思われます。

 

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※重さは85gと重たいですが、バランスが良いのか、実際に弾いているとそれ程重く感じるません。

 

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※これまで使ってたドイツのマイスター弓(下)と比べても反りがしっかり入ってます。

 

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※上がドイツ製、下が今回のチェコ製で、マサカリ(ペカット)タイプに対して、スワン型となっています。

 

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今回、手に入れた弓は、今、メインで使ってるドイツ製の弓の竿が一番太いところで10mmの太さに対して9mmと細い割りに腰が強く、程良い張りの状態で隙間を比べるとドイツ製が9mmに対して7mmでした。
 
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オークションは玉石混交な上、先ず、試奏が出来る機会は少ないので、写真で判断する必要があり、音色や扱いやすさは推測しか出来ない為、かなり冒険です。
しかし、たまにこう言う掘り出し物が見つかるところが嬉しいので止められません。

しかし、普通は、知識も経験もある楽器店が選んだ物から実際に弾いてみて購入するのが無難でしょう。

 

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ちなみに、現在使ってる弓は全てオークションで手に入れたもので、一番上からドイツ(、ブラジル(arcs)、フランス(JTL)、チェコ(Lorentz)と全て国が違います。
 

実際に使ってたのか?と思いましたが、弓を張って弾いてみると、ものすごい松脂が出るので、一旦緩めて、歯ブラシで毛を梳いてみると、出るわ出るわ。松脂の粉が、写真の様に竿が真っ白になるまで出てきました。

これを何度か行って、自分の使ってる松脂を徐々に塗っては弾いて、歯ブラシで落とすの繰り返しをして、最初はガリガリした音だったものがやっとクリアな音色に落ち着いて来た様です。

弓の松脂は出来るだけ落とす事をオススメします。

自分はここで紹介した馬毛の歯ブラシを専用で使ってます。