チェロの低い弦でスラーとかの動きがハッキリしない人が多い。
これはコントラバスでも同様なのだが、うちのオケで、今やってる写真の様なセントポール組曲の終楽章などチェロの低い弦で動く場所が上手く弾けない人が多い。
こう言う場所は、左手で音楽を作り、右手はそれをサポートする様に動かす方が上手く行く。
1つには弦が太い為、右手で音を作ろうとすると、左手の動きとマッチしない場合、折角振動してる弦の振動が止まって、そこから又振動させる為のタイムラグが発生する為、動きも重たくなって、音形がハッキリと聴こえなくなるからだ。
これはコントラバスのE線やC線でも同じ事で、こう言う状態は重たい荷物を積んだ台車を動かしてる状態を想像すると分かりやすい。
重たい荷物を積んだ台車は一旦動き出すと慣性の法則によって、止めようとしてもすぐには止まらないし、次に動かそうとすると時間も掛かる。
つまり動きを止めない事が重要と言う事。
その中で左手の関係がどうか?と言うと、例えて言えば、高速道路で、たまに見る一定スピードで走ると音が聴こえる道があるが、あれと思ったら良い。
あれは、一定間隔で段差が付いてる事で、音が聴こえるのだが、車が右手で、その段差が左手と言うイメージを持つと分かりやすい。
右手の動きはスラーの音形通り動かすだけで、それ以外の仕事は全て左手が行なう。
但し、この時に、左手が行なう仕事が重要で、先の高速道路の段差の様に音を出そうと思うと、やらなければいけない事がある。
押さえる時は弦を叩いて、離す時には手のひら方向へ左手で弦をはじくと言う様に、左手だけで音を出す。と言う動作が必要で、叩く方は割と誰でも出来るが、離す方が難しく、楽譜の◯で囲ったところは離す場所だが、こう言う場所でしっかり左手が仕事をするとハッキリフレーズが聴こえる。
コントラバスでも、完全に音は出せなくともこの様な動きを意識して、G線などの細い弦では完全に使えるので、このテクニックを積極的に使うことでフレーズがハッキリする様になる。
昔、大学生の頃、コントラバスの当時の師匠にレッスンを受けた時にE線の開放弦のppを鳴らす場合、先に左手ではじいて、その後右手(弓)を乗せて弾くと、アタックの無い綺麗なppが出るという事を習ったが(すごい高度なテクニックを既に大学生の頃に受けてた=感謝)これも同様。
コントラバスは弦も太いので弾いてる連中はそれなりの心構えもあるかもしれないが?
、チェロの場合、割と簡単に音も出るし、華奢な女性も多い。

あ、コントラバスを弾いてる女性が華奢ではないという意味ではありません

子どもの頃から弾いてたり、コントラバスでもやってれば別だが、特に女性などは指の力が弱く中々難しい。
小さい音でゴソゴソ弾いてても楽しくなかろうにと思うが、やはり鍛えるところは鍛える必要がある。
自分の隣で弾いてるサブトップの女性は、まあ、音程はともかく
、音は大きくしっかりした音が出てるのは元々コントラバスを弾いてるからだと思うが、本番近くなって曲が分かってきて(楽譜が読めないので覚えないと弾けないらしい)音程が当たる様になって来た時の彼女は非常に助けになる。

自分は、楽器を弾くこともスポーツに近いと考えている。
特に道具を使う物は殆ど考え方は同じで、例えば、野球選手でもテニスの選手でも、試合だけやってる訳では無く、素振りやキャッチボールなどの基礎練習以外にもウエィトトレーニング等も必ずやっている。
と言う事は音楽も例外ではない。
自分はチェロを始めてから、明らかにコントラバスよりも右肩の負荷の掛かり方が大きいと思って、それ以後、何年も軽いダンベルで肩周辺のトレーニングを毎日行っているが、これによって右手の自由度が随分と向上し、左腕の瞬発力も向上した気がする。
最近は、Facebook友達の投稿(ちなみにトロンボーン)を見て、DAddarioのハンドトレーナーを購入してみて、これで指のトレーニングも加えたが、こちらも非常に調子が良い。
自分はコントラバスを長年弾いてたので、他のアマチュアチェリストに比べると左指の力はかなり強い方だが、コントラバスだった為、ローポジションで薬指を使わない為、薬指の使用頻度が少なく、あまり鍛えられてない。
それでもハイポジションは随分沢山やったので、他のアマチュアコントラバス弾きよりは強いが、チェロのローポジションで普通に3(薬指)を使ったり、ハイポジションで深いビブラートを掛けようと思うと苦労する。
一定の力で押さえるよりもビブラートを掛ける方が実は指には負担は大きい。
考えればわかるが、ビブラートは押さえる力を変えて掛ける為、押さえる力を変えると言う事は、押さえる瞬間に、手や上腕の重さに加速度が掛かった瞬発力が指に掛かる訳で、当然、押さえる瞬間には一定の力で押さえるよりも大きな力が指に加わる。
初心者がビブラートを掛けられないのも実は指が鍛えられてない為ではないだろうか。
逆に緩める時にも弦の負担は常に掛かってる為、スプリングで反発力が掛かるが、このハンドトレーナーは弦を押さえている状態にかなり近く効果的ではなかろうか。
但し、注意しないといけないのは使い方で、弦楽器に関して言えば握って使ってはいけない。という事

と言うのも親指を反対側へ当てて握るのとそうでないのとでは指に掛かる力の方向等が全く違うから、つまり、鍛えるべき部位が違うからだ。
チェロやコントラバスでは絶対にネックを握って押さえてはいけない。※コントラバスはたまにE線をグー握りするが、あれは例外

基本は親指はフリーにして、腕の重みや腕で引く力を使って押さえる為、写真の様に椅子に当てたりして使うのが弦楽器向けの正しい使い方になる。
このフィンガートレーナーのグリップは柔らかいゴム製なので、そのまま指板にゴムのグリップ部分を乗せて押さえる動きをしても良い。
但し、右手でちゃんと持ってないと、楽器の上に落ちたら最悪だが、このトレーナーを使った時に加える力のイメージが分かりやすい。
普段使う時に簡単なのはグリップを左手胸に当てて押さえると言う方法かもしれない。
ローポジションの時の様に指を立てて押さえるのと、薬指だけハイポジションの様に伸ばして押さえると言うのも良い。
何れにしても道具も使い方を間違えると効果も半減する。
このハンドトレーナーはスプリングの下にあるネジを回すと強さが強くなるが、どちらかと言うと強さよりも瞬発力を鍛える為なので、それ程強くする必要は無いと思う。
寧ろ、戻す時はスプリングの力を感じながら戻す事も重要。
ただ、基本がかなり強くて、女性だと薬指や小指では基本でも下まで押さえられないかもしれない。
自分はMAXでも左は両方押さえられるけど

↑コントラバス奏者の指の力は強い。
ちなみに、ダンベルも重たいものよりは写真の様な1キロ(女性ならもっと軽くても良いかも)の様に軽いダンベルを使って負担を掛け過ぎない事が重要だと思ってる。
自分の場合、1セットはこれを両手に持って、脚を曲げて両腕を伸ばして仰向けに寝て、肩甲骨の下の部分に枕を敷いて腹筋を100回して、腰の部分を鍛える(低弦には大切)のと肩甲骨の周辺の稼働域を良くする様にしている。
2セットはダンベルを持って立って、下から水平に腕を上げる動き、3セットはダンベルを持って腕を前に伸ばして腕を開く動きをする。
この時も右は手のひらを水平(下)、左手は縦(右)にする、つまり楽器を弾いてる状態に近くするのが重要だ。
4セットは、右は丁度チェロでA線の弓先を弾いてる状態に腕をセットして、左手はネックを押さえる様に縦にして、そこから、右は弓を動かすように肘から先だけを胸の前まで動かし、左は上下に動かす動きを、左右の方向を変えながらしている。
つまり、ダウン・アップと高いポジション・低いポジションの動きを組み合わせるので2パターンとなる。
これらの回数は適時だが、重要なのは弓を動かしてる状態に近い状態で行なうこと。
まあ、他人が見てれば変な格好だが

ダンベルの運動に関しては、もう何年前から始めたのか覚えてないが、日課となっている。
アマチュアの奏者でも、こう言う様な楽器以外のトレーニングを積むことも演奏の向上に繋がると思った方が良い。
自分は今でも、客演でたまにコントラバスも弾くが
コントラバスを弾くと、実に全身運動となって、その後、チェロを弾くと非常に楽に弾ける為、コントラバスを弾くこともトレーニングに近い。

しかし、そう言う意味ではコントラバス奏者は何をすれば良いのだろう?

この製品、同じ様な物の中では比較的高めで、お安いノーブランドもいくつかあるのを紹介しておく。
何れの製品も握って使わないのがポイント

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