チェロをガット弦へ変えた3 ガット弦のメリットデメリット | iPhone De Blog

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前回の続き

最終的に写真の様にオイドクサ+オリーブと言うセッティングにしているが、音色と音量に関しては非常に満足しているのでメリットはそこだろう。

又、弦のテンションも柔らかい為、左手が楽になりビブラートも掛かりやすい。

話が逸れるが、自分もエバ等、ソリストが使う様なパワーのあるスティール弦を張っていたが、これらの弦はテンションも高い。

この様なテンションの高い弦を弾く場合は左手もそれなりの力が必要となる。

自分の場合、コントラバスを弾いてるので、押さえる事に関してはそれ程ハンディは無いが、ビブラートで重要な事は如何にリラックスして力を抜けるかという事なので、出来るだけテンションの低い弦を使ってリラックスする事を覚えた後にある程度テンションの高い弦を張っても遅くないだろう。

右手に関しても同様で、ガット弦はスティール弦と同じ様に押さえつけて弾くとすぐに崩壊する。

その為、あまり押さえつけずに駒寄りで弓の軌道を真っ直ぐに、弓の量を使って音を出す事で倍音豊かな響きを導き出す事が出来る。

上手くコントロール出来れば、ppのニュアンス含めて、表情を変えやすい。

又、理由は不明だが、スティール弦やナイロン弦と異なり、塗った松脂が弓の毛に詰まって滑ると言う頻度が非常に少なくなった。

当然、一度松脂を塗るとかなりの時間持続する為、松脂を塗る頻度も少なくなった。

以前は、毛に松脂が入り込んで詰まると言う現象(そう言う印象)があり、都度、歯ブラシで毛に付着した松脂を落としていた。

この様に演奏面に関していうことは無いのだが、
一方でデメリットとなると、一番はやはり周囲の環境による弦の伸び縮みが非常に大きいと言う事。



まだ、暑い時期は経験して無いが、寒い時期は12月から経験してみたところでは外気の寒さ、暖房、暖房器具の発生する湿度、寒い場所から暖かい部屋へ入った場合に楽器に発生する結露、暖房器具による人の発汗などによる湿度の影響等、実にこれらに影響されやすい。

寒い部屋等で楽器を出すと、
弾いててる自分の体温や汗にも反応する

但し、変化にすぐ反応するが、これらの環境が安定すれば当然変化も少ないので、例えば、本番のステージ上はライトが当たりかなり温度が高くなるが、袖は暗く冷えてる為、本番中はステージに置きっぱなしにして調弦もステージ上で行い、温度や湿度の条件を出来るだけ変えないようすると本番中の影響が少ない。

何れにしても、この変化に対応する為に常に調弦が必要である為、昨年取り付けたWittnerのファインチューンペグは非常に役に立っている。

http://ameblo.jp/iphone-fan/entry-12083736774.html

恐らく、これが無かったらとっくに外していただろう。

日本で、特にチェロでガット弦が流行らないのは、この様な環境の影響に対して調弦が大変であるからではないだろうか。

ファインチューンペグなら、コントラバスのマシン・ヘッド同様にチョイチョイと回すだけで調弦が可能なので、少し音程が気になったらサッと調弦出来る。

特にオリーブのC線等は、ちょっとした温度(湿度)差で半音くらい変わる為、アジャスターとペグの組み合わせでは先ず対応出来ない。

イッサーリスも日本の演奏(夏)ではスティール弦にしたと言う事をFacebookに書いていたが、これから夏場はどうなるのか不明。

ガット弦のもう一つのデメリットだが巻線付の物は巻線がすぐに切れる事

これは張って1週間ほどの時に、オブリガードと比較してみようと外して、再度取り付けたところ、張っていると巻線が切れてしまい、ボロボロになったもので、弦の寿命というものではない。

ちなみに寿命という点では、まだそれ程長期間張ってないので確認出来ないが、イッサーリスはA線以外は1年位張ってると言う事を書いてるので、下の方の弦はまだ大丈夫だろう。

どうやら、ガット弦は伸び縮みが大きく、張る時もかなり伸びる。

ある程度伸びると落ち着くが、これは徐々に伸びるので巻線は追従していく様だが、問題は何かの理由で緩めた場合、芯線が縮み、再度、張る時に伸びるのだが、急激に縮んだ芯線に対して、巻線が追従できなくなり、巻いてると巻線が切れると言う事が発生する様だ。

その為、一度張った巻線があるガット弦は切れるまで取り外さない方が良いと思った方が良い。

自分の様に他の弦と比較してみようと、取り外(緩める)して、再度張ると、必ずと言って良いほど、巻線が切れる様で、これはオイドクサだけでは無く、オリーブでも発生したので、芯線がガットだから発生する問題だと思われる。

この点、プレーンガット弦はこういう問題が無いが、別な問題があるので現在はオイドクサ+オリーブのセッティングとしている。

以上のデメリットは楽器の条件によってはかなり致命的だが、ガット弦の柔らかい音色と豊かな音量を経験すると、当面、スティール弦に戻ろうと言う気にならない。