先の記事で紹介したレゾナンス型のエンドピンストッパーを使っていて気がついたのはエンドピンの材質も関係すると言う事。
自分の楽器のエンドピンは直径10mmで、これはコントラバスで使っているエンドピンと同じ太さだが、コントラバスは以前から見附精機のチタンと真鍮のハイブリッドを使っていた。
自分のチェロは元々カーボン製が付いてたが、買って間もない頃に遊びでコントラバスのエンドピンを挿してみた事があった。
その時は「何だか重すぎて鳴り難い」と言う印象で、その後、今のチタン製を手に入れて使っていた。
今回エンドピンストッパーを使ってもう一度試してみると、チタンと真鍮のハイブリッドの場合低音が非常によく鳴り、高音は少し落ち着いた音色となることが分かった為、リニューアルする事にした。
このエンドピンストッパーに関しては何故鳴るのかはまだ理由がハッキリしないが、コンサートのステージなどで良く使われるチェロの演奏台と同じ考え方だろうと思われる。
結果的に3種類のエンドピンを比較したが、この場合エンドピンの質量に比例して楽器がよく鳴ると言う事が分かった。
ちなみに、チタンとハイブリッドはスケールで測ってみたがチタンは180g
高々、100gの違いだが、付けて見るとズシッと重さを感じる。
以前お試しで弾いた時に印象が悪かった理由の一つに技術もあったかもしれない。
重たいエンドピンへ振動を伝えるには本来楽器もしっかり鳴らす必要があるが、右手がそれに負けると鳴らせない。
つまり、重たい物を動かす場合に非力だと動かないのと同じで、弦の振動が楽器に伝わりそれによってエンドピンも振動するが、エンドピン含めてしっかり振動させようとすると当然その分弦もしっかり振動させる必要がありそれは右手に全て掛かってくる。
今回、鳴るようになったのは、そういう右手の技術の向上に加えて、ストッパーそのものが良く振動する為、エンドピンからストッパーへ伝わった振動がストッパーからエンドピン再び戻る反射の様な現象が発生しているのでは無いだろうか。
これによりエンドピンそのものが良く振動して又楽器も振動する「正帰還」現象が発生して何処かでバランスが取れることで楽器の鳴りが向上するのでは無いだろうか。
これはあくまでも体感から来る仮説なのだが、理由はともかく現在のセッティングは非常に満足しているし、少なくともゴム製のブラックホール等と比べると圧倒的に音量も音質も改善出来る様だ。