「褒められると伸びる」は本当らしい | iPhone De Blog

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2009年12月7日からスタート
iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

最近、年齢が上がるにつれて演奏に関する事をアドヴァイスしたり、パートのレッスンをする機会を持つことがあるが、常に心掛けているのが安易にダメ出しをしないこと。


もちろん、アマチュアなんだから駄目なところはあるし、先ず目につく(笑)


しかし、それは置いといて、良い所を先ず探す。


駄目なところも良い所も理由がある。


プロとして長年やっていれば別だが、経験年数の少ないアマチュアの場合、殆どは「勘違い」「認識不足」が原因となっている事が多い。


「レイトスターター」と言われる、割と年齢が上がって楽器を始める場合、子どもと違って「頭で考える」と言う要素はかなり比重が大きく、考えたことで身体が動きが良い方向へ行くように、わかりやすく且つ納得がいくアドヴァイスする事がかなり重要だ。


レイトスターターにとって最悪なのは「取り敢えず言われた通りやれ」と言うタイプ。


子どもの頃から楽器を握って、いつのまにかプロになったと言う人の中にはこういう人が多い。


頭で考える前に身体で覚えているので、なぜそうすると出来るのか?と言うのが頭で良く分からない。


相手が子どもの場合、こういうタイプの人で充分だ。


子どもは身体も柔らかいし真似をするのも上手い。

先生がやっている通りにやればそれで済む。


ただ、大人の場合はそうは行かない。


先ず、身体を動かす為には、頭で考える事が必要だ。


その後、頭で考えなくとも出来るようになるまで身体に覚え込ませることもセットであるのは当然だが、何も考えずに単に動作を繰り返しても無駄な時間を費やすだけで、特にアマチュアの場合は練習時間も限られているので、楽器を弾いている時間は貴重だ。


それも、教える側では教えられる側の「動作の再現性」が高く「誤解しない」分かりやすい理由付けというのが必要だ。


例えば、ボウイングを教える場合単に「脇が甘くならない様に」と言われても、何故そんな事に気をつけなければいけないのか理解できなければ、肩に力が入るだけで一向に上達しない。


この辺は「体幹」(身体の軸)とも非常に関連するが、スポーツを例にするとかなり分かりやすい。

楽器をやったことが無い人間でも、体育の時間含めて多少はスポーツをやった経験があるからだ。


例えば、ゴルフのクラブを振る時も野球のバットを振る時も「脇を締めること」で体幹に手を近づけて身体の軸ごとバットやクラブを振ることができる。


又、全く違うフィギュアスケートの場合でも回転をする場合に身体に両手を近づける事でスピードを上げる事ができ、少林寺拳法には「鍵手守法」と言う技があるが、これは相手に手を掴まれた場合に肘を体に着けるだけで引っ張られにくいと言う技でやはり体幹をイメージしたものだ。



つまり「脇を締める」と言う言葉は「体幹、身体の軸」を意識すると言うことと同義だが、言葉が分かりやすい為に使われているだけと言う事になる。



こういう例を使って、弦楽器の場合であれば弓を使うが、やはり同じように体幹を中心に動作をする事は弓を安定して動かす為に必要と言う事を説明する。


そうやって楽器があって自分があるのでは無く、自分(の身体の軸)があって楽器があると言うイメージを頭で考えて作らせるのだが、そう言う「何故そうするのか?」「何の為に必要なのか?」を例を上げて筋道立てて説明してやることが重要だ。


僕の場合、楽器の構造もある程度教える


「どういう過程を経て楽器が音を出すのか」


「何故魂柱は真ん中より細い弦の側に立っているのか」


長くなるので書かないが、こう言う事を頭に入れておけば


「太い弦を鳴らす時は押さえつけない方が良く鳴る」


「細い弦の場合は縦方向に振動させる方が良く楽器が鳴るので、大きな音が欲しい場合、できるだけ楽器のウエストに近い部分を弓が通るようにする」


と言う話に繋がり理由を理解できるし忘れない。


コントラバスの場合、ある程度年齢が上がって始める事が殆どで、一流のプロとして活躍してる人の中にも一般大学へ行くまでコントラバスをやっていたが、その後、再度音大へ行ってプロとなったと言う人も多い為、比較的、「取り敢えず言われた通りにやれ」と言うタイプは少ない。


僕の最初の先生もかなり苦労して芸大へ入った人で、様々な事に意欲的にチャレンジするので非常に引き出しが多く、言われた時に「なるほど!」と言う話が殆ど。


色々なタイプの生徒に対応しながら、自分のスタイルを押し付けずに基礎だけをキチンと磨いて音大へ送る。


その為、生徒には優秀なコントラバス奏者が多く、プロの奏者となった生徒も沢山いる日本でもトップクラスのコントラバスの指導者だろう。


話を戻すが、先ず良い所を褒める場合でも「何が良いのか」理由を説明する。


その後に「でもね。」と言う形でダメなところに関して、どうしてダメなのかも理由を説明する。


どうやら、そういう「褒める」というのが指導に効果があると言う実験結果が得られた様だ。


http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG0800O_Y2A101C1CR0000/


この中で『これまでの研究で、うれしいことがあると、脳内で記憶の定着に重要な役割を果たすドーパミンが分泌されると判明しており、田中准教授は「褒められた分、記憶が残って動きが良くなったのではないか」と話している。』とある。


つまり、先に褒めればそれでドーパミンが出て、後から言われた注意点もちゃんと頭に入ると言う事であろう。


注意したいなら先に褒める。と言うのはどんな場合でも必要なようだ。