「焼肉酒家えびす」集団食中毒事件を考える | iPhone De Blog

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iPhone3GSからiPhoneユーザのLEONがiPhoneやAndroidなどを中心にしたデジタル系ガジェット、IT関連ネタ、趣味のコントラバスやチェロを中心としたクラシックネタ、2022年から始めた自家焙煎に関する話や日常の話まで幅広く書いてます。

この話しには色々な問題が含まれているが、僕はここでこの事件の責任の所在云々を書きたい訳では無い。

僕は自宅でバーベキューをするので、外で焼肉を食べたいと思う事があまり無い。

どんな店で食べる焼肉より自宅のウエーバーで焼いた肉が一番美味くて安いからだ。

家だからアルコールもガンガン飲めるし、上等の肉を食べたければ買ってくれば良い。

ただ、それでも生肉はさすがに自宅では食べられない。

せいぜい熊本へ行った時に馬刺しを専門店で買って帰るくらいだ。

ちなみに、
僕はユッケと言うものをこれまで食べた事が無いのだが、美味いレバ刺しは好きだし、馬刺し、牛肉タタキ、鳥刺しと生は好きだ。

なので、生肉を食べたい時は外で食べるが、行く時は小さな専門店(この辺だと、先日紹介した「かね萬」)やそれ程大きくない個人の店へ行く事にしている。

申し訳ないが焼肉チェーン店などで生肉は食べない。

それは何故か?

今回の事故の流れを見ると良く分かるが、店側が責任持って出してるかどうか分からないからだ。

これはこの会社の企業体質なのかもしれないが、今回事件のあった会社は社長からして、責任転嫁するタイプの様だ。

はじめは、法律で基準が無いのが悪いと言って逆ギレしたかと思えば、その次は卸業者からのメールをメディアへ流して、こう言う過程で卸業者が100%生で使えるからと言う事で使っていたので、自分達は何も知らなかったし責任はない。と言いたいらしい。



しかし、裏を返せば安全は業者任せでした。と言う事になる。


どうも、この店は事故が起こる前にTVで紹介されていたらしい


『焼肉チェーン店「焼肉酒家えびす」で集団食中毒事件が発生した。インターネット上では同事件について、島田紳助、羽鳥慎一アナ司会の日本テレビ・読売テレビ系の人気バラエティー番組「人生が変わる1分間の深イイ話」の影響も大きいのではと憶測がなされている。事件発生直前、同番組では「焼肉酒家えびす」を絶賛する内容が放送されていた。

4月18日放送分で、同番組は焼肉酒家えびすを紹介。視聴者の投稿を基に「焼肉1皿100円」の安さを提示しつつ、「人気の種類を大量に仕入れることで激安価格を実現」「高級店並みの接客」などと称賛する内容を放送していた。』


この話はあまりメディアでとりあげられていないが、「安さ」がウリだった様だ。


申し訳ないが「高級店並みの接客」と言うのはコストが掛からないし、従業員の賃金まで高級店並みだったかどうかは不明だ。

安い賃金でこき使えば良いのであって、この就職難の時代、人間なんて使い捨てだろう。

しかし、これはある意味、この「焼肉酒家えびす」だけでは無いと思っている。


これだけ焼肉屋がある中で、それなりに店舗を拡大して行く為には、コストダウンは当然だろうし、安売り店の路線で行く為には仕入れコストは当然削減する必要がある。


接客は見えても、安全管理や衛生管理なんてのは客には見えないんだから、店舗経営でコストを下げるにはその部分しか無いだろう。


この辺は、焼肉チェーン店に限らず、外食産業ではありそうな話なのだが、外食産業の場合は微妙だ。

悲しいかな、最近の流れとして厨房で料理をせずに、キチンと衛生管理された工場で作って店ではレンジで温めるだけと言う所も増えて、事故が入る余地が少ない。

その為、この手の問題は起こりにくいのでは無いかと思っている。


反面、こう言う生食の物を扱う、個人経営の店や小さな専門店の場合は、その店の主人がちゃんと素材や部位を選び出す。

当然だが、大手の店と違ってちょっとでも食中毒などと言う話が出るとそれだけで潰れかねないので、その辺はより真剣だろう。

勿論、仕入れの数も少ないから材料費も高いし、部位も安全に食べられる部位を選別してしまうと、その分コストは上がるだろう。


自然と値段も上がるが、結局、そう言う物は高い物なのだ。と理解している。


最近、焼肉店に限らず、牛丼チェーンでも激安店が多いが、果たして安いと言うのは良いことなのだろうか?


たいていの場合は、コストダウンの方向は人件費へ行く。

先に書いたように、接客が高級店並でも賃金まで高級店並と言うわけではないところが殆どだろうし、高級店でもそれ程高い賃金では無いだろう。


そしてもう一つが仕入れコストだが、それは今回の事件から分かるように、業者任せで買い叩けば良いのだ。

しかし、この手の手法は外食だけじゃなく、今の自動車産業でも普通に行われている。

結局、その下でもその産業で働く層での低賃金化が行われている筈で、その様な低賃金が国内で成り立たないから、より低賃金の後進国からの輸入が増える訳だ。


そう言う、人が働く事に対する対価を下げる事で得られる「激安」


又、「焼肉酒家えびす」の様に、食品の安全管理を業者任せにしてしまう「激安」


これだけ経済が落ち込んでいる状況で、それを煽るTVメディアに乗せられて出掛けていき犠牲になった子どもの事を考えると、単純に卸売業者の責任でトカゲのしっぽ切りとなって良いのだろうか?と思える。


これは推測だが、どうもマスコミの流れが『「焼肉酒家えびす」は被害者で卸売業者が悪い』と言う風に報道が行ってる感じだが、先に紹介した様に、事件が起こる前に、マスコミでこの店を紹介している事情からすると、その方向へ話を持って行く方が自分達に火の粉がかからないで良さそうだと考えているなら、再びそれに踊らされない様にしたいものだ。