昨日、今日と 某学生オーケストラの練習。
普段行ってる大学では無く、久しぶりに顔を出す大学だ。
今回の練習は、正指揮者では無く、ゲストトレーナーと言う事で、風貌から来てるのかお公家さんの様な通称が付いている某在京オーケストラのコンマスが指導をする練習だった。
僕はこの人が棒を振ってるのは初めて見たし、トレーニングも初めてだが中々面白い。
専門のヴァイオリンに関するアドバイスも適切だし、指導方法のアイデアも面白く、練習のタイムスケジュールも正確だ。
さすが伊達にトップクラスのオーケストラで仕事をしていない。
しかし、何が一番面白いかって、随所にある「この人らしい」アドバイスだ
まあ、この人がどういう人かは僕は詳しくは知らないが、何とは無しに聞こえてくる業界の噂と言うのはあるので「あ~なるほど」と思うわけだ(笑)
例えば、学生が現在やっている合唱付きの有名な交響曲の3楽章で、ヴァイオリンのオーディションでも良く出てくると言っていた美しいフレーズを弾いている時に
「ヴァイオリンで1本の弦で弾いてると言うのは、一人の女性に視線をずっと送ってる様なもんだよ。
そこで移弦をしちゃうと言うのは、相手の女性がこっちへ視線を向けた時に視線を外しちゃう様なもんだよ。
そんな絶好のチャンスで視線を外しちゃいけない。」
1本の弦で弾くと言うのは音色が変わりにくく、音楽的に一定のテンションを持続することが出来る。
そう言う箇所で移弦をすると、音色が変わったりフレーズが切れたりしてせっかくのテンションが萎えてしまう。
そう言ってしまえば終わりだが、こう言う伝え方の方が分かりやすいだろう(笑)
又、別な場所では、クレッシェンドデクレッシェンドの松葉があるシーンで、この<>部分が中々表現できない。
「もっと強く抱きしめなきゃ!
強く抱きしめられなければ、優しく抱きしめる事はできないよ!」
確かに、<>の様な箇所に関わらず、音楽の場合、とりあえず、「やり過ぎ」と言われるくらいにやって後から小さくする方がイメージもつかみやすい。
音楽というのは技術だけでは無いと言うことだね(笑)


真面目な学生さん達が何処まで理解出来てるのか知らないが、僕はしっかり理解できた

今日はどんな名セリフが出てくるのか楽しみだ