僕は専門家では無いので無闇に騒ぎたくないが、地震以上に大変な事になっている様だ。
もう起こった事を検証して責任問題を追求している場合では無く、すぐ先の事を考えないといけない。
津波や地震の被害は復興できるが、「人災」と言える原子力発電所の事故まで起こってしまうと最悪の場合、僕が生きている間に復興した福島の街は見られなくなり、代わりに「石棺」と言う汚名のコンクリート施設が残されるかもしれない。
中長期的に見ても、福島県内へ押し込めた原子力発電所2箇所が停止し、放射能の影響によっては近隣の火力発電所まで使用できなくなれば、関東地域の電力供給能力は低下したままで都市機能はマヒしたままとなる。
ちなみに東電の発電能力は
水力発電所 160箇所 852.0万kw
火力発電所 26箇所 3,683.1万kW
原子力発電所 3箇所
(福島×2、柏崎) 1,730.8万kW
風力・地熱発電所 2箇所 0.4万kW
合計出力 6,266.3万kw
このうち現在稼働停止しているのがこれらの様だ
1.原子力発電所
発電所 号機 最大出力
福島第一 1号機 46万kw
福島第一 2号機 78.4万kw
福島第一 3号機 78.4万kw
福島第ニ 1号機 110万kw
福島第ニ 2号機 110万kw
福島第ニ 3号機 110万kw
福島第ニ 4号機 110万kw
原子力発電所計 642.8万kw
2.火力発電所
発電所 号機 最大出力
広野 2号機 60万kw
広野 4号機 100万kw
常陸那珂 1号機 100万kw
鹿島 2号機 60万kw
鹿島 3号機 60万kw
鹿島 5号機 100万kw
鹿島 6号機 100万kw
大井 1号機 35万kw
東扇島 2号機 100万kw
火力発電所計 715万kw
これらのうち火力が全て運転可能となるかどうか不明だ。
場合によって周辺の火力も放射能の影響で運転できない可能性もある。
今はまだ春先で電力需要が少なく、3,700万kwが需要量らしいが、夏場のピークを迎えればピーク時4,700万kwと言う事らしい。
※以上はhttp://d.hatena.ne.jp/Awayann/20110315/1300122916
の方のブログから参照させて頂きました。
前にも書いたが、ここの九州電力はじめ関西の電力会社からの供給は糸魚川で「周波数」と言うベルリンの壁があり、互いに融通する量に限界がある。
又、各電力会社の発電能力はピーク時を基準として一定である為、幾ら九州で節電しても余剰電力が発生するだけで無駄だ。
寧ろ、この状況で節電して、震災の影響がない電力会社の売上を減らす事は日本全体としてマイナスであり、逆に沢山電気を使い電力会社の売上へ貢献する方が良い。
その様な事も含めて、関東地域で新しく発電設備を作るにしても時間が掛かるし、1,2ヶ月程度ならともかく、原子力発電所2箇所分の発電所を建設するのは時間が必要だろう。
それ以前に、今から大規模な発電能力の発電所を建設するなら勝負の早い火力か原子力しか無いが、この事故を見て、東京の為に何処が建設を受けいれてくれるだろう?
東京一極集中している日本のウィークポイントが、こんなところにあったとは誰が思っただろう。
火力発電所でも立地問題を解決する為だけでも相当時間が掛かるだろう。
最悪の事態を免れたとしても、既に、現段階で2箇所の原発は殆ど使い物にならない状態となっている事を考えると、中長期的に関東の企業が開店休業状態では日本全体がマヒしてしまう。
極端な場合、早い段階で各企業は関東地域以外へ本社機能を臨時にでも移す事を考えるべきだろうし、その後、本格的に首都の移転も検討した方が良いかもしれない。
昨日、東京都知事選へ再出馬すると言った小説家上がりのボケ老人が、今回の災害を「天罰」と言う様な世迷言を言ったが、それなら、落ちるなら、その本人含めて、このような状況にした連中に落ちて欲しいものだが、戦争でもそうだが、最終的に被害に遭うのはいつも庶民だ。
ある意味、福島の海岸沿いへ原子力発電所を押し込めた為、津波の被害に遭う事となり、皮肉な結果となってしまった。
只、そう言う人間達を選んだのは自分達自身だと言う事を認識した上で、関東地域は冷静に今後の対応を考えた方が良いだろう。
当然だが、日本政府もすぐに将来的な事を考えた方が良いだろうし、被災の無かった地域の行政も今後の事を考えるべきだろう。
少なくとも電池の買い占めや物資の買い溜め程度で済む問題では無さそうだ。
これは、あくまでも最悪の場合だが、もう、その「最悪の場合」と言うのは目の前に迫ってる様だ。
これは天災では無く人災だ。
だから怖い。
今回の災害は、これまで、日本人が経験したことのない「地震」、「津波」、「原子力発電所の事故」と言う複合災害となりつつある。
単に感情的なレベルでの募金活動やボランティアで解決出来る問題では無いし、被災しなかった地域の人間にとっても重要な問題だ。
先も書いたが、募金やボランティアをする人が、もし自分の街へ「東京の為に原子力発電所を作らせて下さい。」と言われたら「はい喜んで」と言うだろうか?
そう言うレベルで考えないといけないし、だからこそ決して慌てずに、冷静に将来の事を考えるべきだろう。
しかし、この最悪な状況を逆にバネとして復興する事は充分可能だ。
寧ろ、尊い犠牲の上に成り立つ日本再生のチャンスとすべきで、そうでなければ亡くなった多くの人達へ申し訳ない。
皆さんのお陰で日本はここまで成長しました。と言える為にも今頑張らなければならない。
この言葉は戦後発展した日本で良く使われたが、これはある意味「戦争」だ。
但し、今回の敵は自分達自身だ。
今回の武器は「冷静さ」と「元気」、「希望」と「思いやり」そして日本人の一番得意な「挙国一致」の「同胞意識」だろう。
最後までしっかり戦って子ども達がこの国へ生まれて良かった。と言う国にしたい。