米国で婚前契約が増加 日本とアメリカの離婚事情を考える | iPhone De Blog

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今朝も、FM福岡モーニングジャムからオープニングの話題で(^^ゞ次の様な話があった。


『米国で婚前契約が増加、中流層にも広がり=米調査


ロイター 9月28日 18時44分配信


 [ニューヨーク 27日 ロイター] 米婚姻弁護士協会(AAML)の調査で、婚前契約を交わす米国人が増加しており、中流層や女性も婚前契約を希望しているという実態が明らかになった。


 AAMLでは、1600人以上いる弁護士の会員にアンケート調査を実施。回答者の約4分の3が、過去5年間で婚前契約は増加していると答えた。また、婚前契約を希望する女性が増えているとした回答者も過半数に上った。


 AAMLの会長は、婚前契約は「計画ツール」だとした上で、「(米国で)結婚したカップルの約半数が離婚することを考えれば、計画することは理にかなっている」と説明。また、富裕層や有名人に限らずあらゆる所得水準の人に婚前契約が広がっていることについては、「婚前契約は借金から身を守ることにもなる。配偶者が結婚前に作った借金を離婚してから背負わずに済む」と述べた。


 婚前契約には、退職金の分け方や飼い犬をどちらが引き取るかなど離婚に関する項目のほか、結婚生活の中で銀行口座を別々にするかどうかや資金計画に関する項目が含まれる場合もあるという。』


http://headlines.yahoo.co.jp/smartphone/hl?a=20100928-00000110-reu-int


婚前契約が増えている。と言う事実も驚きだが、「半数が離婚する」と言うのは、もっと驚く。

それだけ離婚率が高ければ、その時の事を考えておくのは合理的なヤンキーなら当然だ。


では、我が日本はどうかと見ると、厚生労働省のグラフを見るのが一番だろう。

これは「平成21年人口動態統計の年間推計」からだ。


ついでなので
1)「出生数及び合計特殊出生率の年次推移」



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長期低落傾向だ


2)死亡数及び死亡率の年次推移

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何故か、こちらは上がっている。これだけ医療が進歩しているのに?

3)自然増減数の年次推移
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増えるのが少なく、減るのが多かったら当然こうなる。
ここ数年はマイナス。離婚率も然る事ながら、こちらも相当心配だ。


4)婚姻件数及び婚姻率の年次推移
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比較的横ばい。ここ数年は低下傾向だ。


5)離婚件数及び離婚率の年次推移
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近年、著しく増加傾向だったのが、ここ数年は若干下がっている。

この辺は不況で「離婚したくても出来ない」と言う事なのだろうか?


ちなみに、この場合、厚生労働省の離婚率と言うのは、人口千人に対する物なので、上記のアメリカで言っている「結婚したカップルの約半数が離婚」と言う数字に合わせるには、


離婚件数/婚姻件数×100としなければならないので 253/714*100=35.4%となる。


アメリカよりは低い数字だが、存在的な離婚予備軍はもっと居るのでは無いだろうか?


グラフにするとこうなっている。

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これは以下のサイトからの引用だが、実態調査と説明は、少し古いがここのページが良く分かる。

これを見ると、いわゆる「出来ちゃった婚」による20代以下の離婚率が高いと言う解説になっている。


http://research.goo.ne.jp/database/data/000575/


さて、アメリカが日本よりも離婚率が高い理由は色々考えられるが、僕は制度の問題が一番だろうと思っている。


日本の場合は「協議離婚」と言う形で、双方が合意すれば離婚が可能だ。


しかし「協議」をして、相手が合意しない場合は「調停」→「審判」→「裁判」と非常に手間が掛かる。


又、裁判に必要な理由も民法第770条に以下の様に定められている。


1)配偶者に不貞な行為(不貞行為)があったとき。
2)配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき。
4)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき


つまり、不倫や虐待等、相手に責任(非)があれば、離婚の申し立てをして「協議」の末「合意が得られない場合」は裁判で離婚する事が出来る。と言う事だ。


少し難しい言い方をすると『配偶者の一方に夫婦間の共同生活関係の継続を困難にさせるような有責行為がある場合に限ってその有責配偶者の相手方からの離婚請求のみを認める』と言う「有責主義」をとっている。


しかし、逆に言えば、この様な理由が無く「相手の合意が得られない場合」は、離婚が難しいと言う事になる。


只、殆どの場合は協議で終わり、問題はどちらかと言うと、その後の養育費や生活費等の方だろうが、何れにしても、「770条に定めた有責配偶者である」か「双方の合意がある」と言うのが不可欠となる。


ところが、アメリカの場合は、これが「NO fault divorce」と言って、相手に落ち度や非がなくても、又、合意が無くても一方の意思で離婚が可能となっているのだ。


もちろん、アメリカは州によって法律が違うが、殆どはこの方式の様だ。
又、1年間ほど別居すれば離婚も成立するらしい。

この辺りが離婚件数の上昇に拍車を掛けているのでは無いだろうか。

ちなみに、この法律は1970年にカリフォルニア州で成立した後全米に広がったらしい。


一方で「No fault divorce」が 適用されている州では「慰謝料」の概念がない様だ。

相手の責任を考えないためには慰謝料は 基本的には考えられないのだろう。

但し、これも州に寄って異なり、カリフォルニアでは、離婚したら自動的に財産が折半されるらしい。


この辺りの事情から、この「婚前契約」と言うのが増えてきたのでは無いかと思っているが、どうだろうか。


日本ではまだこの様な話は聞かないが、そのうちこう言う話も当たり前になってくるのでは無いだろうか。


所詮、夫婦なんて赤の他人だ。


ある意味、紙一枚で繋がっている希薄な関係を、一緒に暮らす年月で強くするものであろう。


この繋がりが希薄となれば、家庭の繋がりも希薄になるのは当然で、社会の繋がりにおいては言わずもがなと言う気がする。


あ、ちなみに我が家は予備軍ではありません。念の為(笑)



え?そう思ってるのは自分だけだって?(@_@;)