こんにちは!立体美容外科です![]()
ある時から唇の乾燥や腫れがひどくなり、
こまめにリップクリームを塗っても
なかなか改善しませんでした。
そこでChatGPTで調べてみたところ、
「リップジュラン(Lip Rejuran)」と呼ばれる
施術があることを知りました。
唇にリジュランを注射する施術を、
先生方が「リップジュラン」と名付けたようです。
本当に効果があるのだろうかと思い、
論文を調べてみたところ、
昨年、唇へのリジュラン注入に関する
論文が発表されていました![]()
![]()
今日はその論文をレビューしていきたいと思います。
この論文は、Journal of Cosmetic Dermatology
という皮膚科分野の学術誌に、
韓国のリーダーズ皮膚科の
ノ・ナギョン院長が執筆されたものです。
ノ・ナギョン院長は論文を数多く発表されており、
私自身ともご縁のある先生でもあるため、
内容についても非常に信頼できる論文だと感じました。
では、なぜ唇はこれほど乾燥しやすいのでしょうか。
著者らは次のように説明しています。
唇は顔の皮膚とは構造的に異なります。
角質層が非常に薄く、
汗腺や皮脂腺が存在しないため、
水分を保持する能力が著しく低いとされています。
そのため、外部環境(寒さ、紫外線、
マスクによる摩擦、頻繁な唾液の付着など)
の影響を受けやすく、
加齢とともに細かいシワや
ざらつきが現れやすいと述べています![]()
問題なのは、このような状態に対して
リップバームだけでは限界があるという点です![]()
表面的な保湿効果は一時的であり、
唇の組織そのものの水分環境を
根本的に改善することは難しいからです。
研究デザインの概要
対象:乾燥やひび割れを
伴う唇を有する成人30名
研究デザイン:前向き・多施設研究
施術方法:唇の紅唇部(vermilion)に
PN注射を3回実施(3週間隔)
評価時点:施術前、3週後、6週後、9週後
ここで重要なのは、
本研究が単なる満足度調査や症例報告にとどまらず、
定量的指標を用いて評価している点です![]()
どのように効果を評価したのか
研究チームは、
唇の状態を以下の3つの指標を用いて評価しました。
1.WSRS(Wrinkle Severity Rating Scale)
唇のシワの深さおよび数を評価
1点(軽微)~5点(非常に重度)
2.LRGS(Lip Roughness Grading Scale)
唇の粗さ、角質、亀裂の程度を評価
0点(正常)~8点(高度な亀裂)
3.GAIS(Global Aesthetic Improvement Scale)
被験者自身が感じる全体的な改善度
医師による客観的評価と、
患者本人が実感する効果の両方を
反映した評価体系となっています。
結果は以下の表に示されています。
結果はどうだったのでしょうか
唇のシワ(WSRS)
9週時点で、全患者(100%)において
1点以上の改善が認められました。
中央値ベースでは、
シワのスコアは最大で2段階の低下を示しました。
唇の粗さ(LRGS)
9週時点で、89%の被験者において
1点以上の改善が確認されました。
シワの改善と比較すると、
粗さの改善にはやや時間を要する傾向が見られました。
患者満足度(GAIS)
全員(100%)が
「改善あり」以上と評価しました。
これらの結果は、単に「しっとりした感じ」が得られた
というレベルにとどまらず、
唇のシワや質感(テクスチャー)が
実際に改善されたことを示しており、
非常に意義のある結果だといえます。
安全性は問題なかったのでしょうか
安全性は問題なかったのか?
最も頻度の高い反応は、
腫れが100%、疼痛が89%、紅斑が78%でした。
しかし重要なポイントは、
これらの反応はほとんどが軽度で一時的であり、
数時間以内に自然に消失することです。
また、論文では重篤な合併症は報告されていないとされています。
論文でも述べられているように、
PNは水分結合力が非常に高いため、
一時的な腫れはある程度予測可能な反応である
と説明しています![]()
既存のヒアルロン酸(HA)
リップ施術との違い
多くの方がこう質問します。
「では、リップフィラーとは何が違うのですか?」
著者らは、核心的な違いは目的にあると述べ、
次のように説明しています。
HAフィラー:ボリューム・輪郭が中心
PN(リジュラン):組織環境の改善、
水分・質感・弾力が中心
今回の論文でも、PNはボリュームを増やさずに
唇のコンディションを回復させることに強みがある
と評価されています。
この論文の限界
どんなに良い研究でも限界はあります。
対象が韓国人のみ
対照群(リップバーム等)が不在
長期追跡データが不足
それでも、唇の乾燥を「施術で改善できるか」を
正面から扱った初のPN研究である点で、
臨床的意義は大きいと著者らは述べています。
唇リジュランは誰に向いているか?
✔ リップバームを繰り返し使っても改善しない
✔ 小ジワ・角質・粗さが同時にある唇
✔ ボリュームアップは望まない
✔ 自然なコンディション回復を求めている
こうした方にとっては、
ひとつの選択肢になり得ます。
唇は小さい部位ですが、
顔の印象や生活の満足度に大きく影響します。
今回の論文は、「唇リジュラン」が単なる流行ではなく、
根拠のある治療オプションになり得ることを
示す第一歩だと私は考えています。
ただし、すべての施術に共通することですが、
適応症と期待値を正しく設定することが何より重要です。
本日の内容は以上になります![]()
最後までご覧下さりありがとうございます![]()
次回もぜひお楽しみにしてください![]()









