こんにちは!立体美容外科です![]()
前回の記事では、
額縮小術の歴史的な発展過程を振り返りました。
本日は、実際の手術室でどのような技術的革新されたか、
そして現在用いられている
主要な技術について具体的に解説いたします![]()
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過去と現在の技術的な違い
もし1980〜90年代に額縮小手術を受けていたら、
どのような経験をしていたでしょうか?
当時は主に、冠状切開法(コロナルインシジョン)が
標準的な手術方法でした。
頭頂部近くまで及ぶ大規模な頭皮切開を行い、
手術を行う方法でした。
冠状切開法
この方法の問題点は明確でした。
手術範囲が広範囲であるだけでなく、
むしろヘアラインが後退する副作用が発生していました![]()
内視鏡額挙上術の開発とともに、
この方法は次第に姿を消しましたが、
それでも解決されない問題がありました。
「額が広くて内視鏡技術を
適用できない場合はどうすればよいのでしょうか?」
臨床で出会う患者の中には、
ヘアラインに極めて敏感な方もいます。
少しでも額が広くなることを受け入れられない方々です。
こうした要望に応えるために、
1990年代半ばからヘアライン切開法が好まれるようになりました。
ヘアラインに直接切開を入れて、
毛髪線を保護する方法です。
しかし新たな問題が現れました。
それは目立つ傷跡です![]()
傷跡問題の解決策
— 2つの革新的技術 —
この問題を解決するために、
2つの重要な技術が登場しました。
それが、トリコファイティック切開法と
ジグザグデザイン(W-プラスティー)です![]()
これらの切開方法は、
額挙上術だけでなく額縮小術にも同様に適用され、
現在も使用されています。
額手術において、
瘢痕管理で最も重要な技術的要素が
トリコファイティック切開術(Trichophytic Incision)です。
この技術は1985年に
メイヤー博士とフレミング博士によって
初めて紹介された革新的な切開法です。
トリコファイティック切開のポイントは、
毛包を温存しつつ瘢痕部分から
毛髪が生えるようにすることです。
一般的な垂直切開とは異なり、
この技法では特別な角度で皮膚を切開します。
具体的には、毛包と直角ではなく、
約10度から45度の傾斜角(ベベリング)で切開します。
この傾斜切開の効果とは何でしょうか?
傾斜切開の魔法は、毛包の部分切断にあります。
毛髪が生える頭皮の部分を斜めに切開することで、
切断された毛包の一部(毛球)が保存されます。
手術後の回復過程で、
この保存された毛球から新たな毛髪が生え、
瘢痕を通過するようになるのです。
このように生えた毛髪が瘢痕を自然に覆うため、
手術の痕跡はほとんど目立たなくなります。
単に瘢痕を隠すのではなく、
瘢痕そのものから毛髪が生えるようにする技術です![]()
額縮小術における適用
額縮小術ではヘアラインに沿って切開が行われるため、
瘢痕管理が特に重要です。
髪を結んだり、風が吹いたりしたときに
瘢痕が露出する可能性があるからです。
私が使用しているトリコファイティック切開法は以下の通りです。
ヘアラインデザイン
ジグザグを基本としたヘアラインに合わせた
不規則なパターンで設計します。
角度調整
約30〜45度の角度で毛包を斜めに切断します。
深さ調整
毛球(hair bulb)は保存し、
毛幹(hair shaft)のみを切断します。
このような精密な方法は時間がかかりますが、
結果には非常に満足しています。
手術後、約3〜6ヶ月で瘢痕を通して毛髪が生え始め、
1年経つ頃にはほとんどの患者で
瘢痕がほとんど見えなくなります![]()
技術の継続的な進歩
初期には単純な角度のベベリングのみが
使われていましたが、
最近ではさらに精密な技術が開発されています。
二重ベベリング技法は、
前方と後方の両方の皮膚弁に角度をつけることで、
より自然な毛髪の成長を促します。
また、不規則なジグザグパターンの
トリコファイティック切開は、
直線的な瘢痕よりも目立ちにくく、
より自然なヘアラインを作り出します。
額縮小術における切開デザインは、
手術結果を左右する重要な要素です。
特にヘアラインに沿って
ジグザグ形状で切開する方法が最も広く用いられていますが、
なぜ直線ではなくジグザグ形状を選ぶのでしょうか?
ジグザグ切開の3つの主な理由は以下の通りです。
自然なヘアライン
ヘアラインはもともと直線ではなく、
微細な不規則性を持っています。
瘢痕の目立ちにくさ
ジグザグ形状は直線よりも
瘢痕を目立たなくします。
張力の分散
頭皮を引っ張る際に生じる緊張が
一点に集中するのを防ぎます。
ジグザグ切開は、
形成外科で瘢痕修正術として用いられる
「W-プラスティー」技術と同じ原理です。
W-プラスティーは、
直線的な瘢痕を改善するために開発された技術で、
瘢痕の両側に一連の小さな三角形の切開を作り、
それらを噛み合わせる方法です。
W-プラスティーが効果的な理由は、
力の分散にあります。
直線的な瘢痕は、
皮膚の張力線(RSTL: Relaxed Skin Tension Lines)に
垂直に働く力によって広がりやすいです。
しかし、W-プラスティーはその力を
複数の方向に分散させます。
興味深い研究結果によると、
三角形の頂点の角度が45度のときは張力が29%減少し、
60度の場合は50%まで減少するとされています。
まるでアコーディオンのように開く構造となり、
張力を効果的に分散させる仕組みです![]()
額縮小術における予防的応用
額縮小術では、
W-プラスティーを予防的に適用します。
つまり、瘢痕ができてから修正するのではなく、
初めから瘢痕を最小限に抑えるために用いるということです。
額は顔の凹凸のある部位であり、
特にヘアラインに沿って切開すると
瘢痕が残りやすい場所です。
もし直線的に切開すると、
術後時間の経過とともに
瘢痕が広がるリスクがあります。
額縮小術にW-プラスティーを予防的に適用すると、
以下のような効果が得られます。
瘢痕予防
最初から瘢痕が目立ちにくくなり、
後の瘢痕修正術の必要性を減らします。
自然な毛髪線
ジグザグパターンが
自然なヘアラインに近い見た目を作ります。
張力分散
頭皮を前方に引っ張る際に発生する
張力を複数方向に分散させます。
これらの切開方法は時間と手間がかかるため、
すべての医師が用いるわけではありません![]()
また、体質的に瘢痕が残りにくい方もいらっしゃいます。
しかし顔面手術では、
少しでも瘢痕を隠せるのであれば、
時間をかけてでも可能な限りの技術を
活用することが正しいと考えています。
適切に行われたトリコファイティック切開と
W-プラスティーデザインは、
患者満足度を大きく高める重要な要素だからです。
次回は額縮小術のもう一つの重要な技術、
「筋膜切開術」について詳しく解説します。
この技術がいかに手術の安全性と効果を
同時に高めるかを見ていきましょう。
技術的な内容がやや複雑だったかもしれませんが、
こうした細かな技術が手術結果の違いを生むことを
理解いただければ幸いです![]()
本日の内容は以上になります![]()
最後までご覧下さりありがとうございます![]()
次回もぜひお楽しみにしてください![]()







