閣下が異様にカッコいい件 | iPadGamer

iPadGamer

このブログは、iPadに関するゲーム情報、攻略記事、プレイ雑感などをつづっています。取り上げて欲しいゲームがありましたらコメントにて。

またまた更新が滞ってしまい申し訳ない。まあ、いつものことだが。

更新をしていない間、XCOM(←まだまだプレイしている)でインポッシブル・アイアンマンを何としてもクリアしようとチャレンジし続け、限りなく殺されたり地球が侵略されたりし続けていた。難しさが半端じゃないのだが、それでも何とか攻略の糸口は見えてきたので、今度レポートしたい。ちなみに、iPhone5Sでは、インポッシブルでラストミッションまでたどり着いたのに、マザーシップが真っ暗になるというバグがあり、クリアできない・・・。これは早急に直してほしい。



そんなことをしている間に、気になるゲームも次々に発売。オーシャンホーンとか、Sid Meier's Ace Patrol Pacific Skies(長い)とか、買っているのに積み状態。

・・・早くかい物と戦いたいよ、かい物



閑話休題。今回はInfinity Bladeのシリーズにおける閣下ことゴッドキングをリスペクトする回だ。



続きを読む(PC版)

お恥ずかしい話だが、iPadGamerは比較的いい年をしているので、満員電車の中とかでゲームをしたりする度胸が無いヘタレだったりする。仕方が無いので、そんなときはiPhoneをいじっていたりするわけだが、この間、電子書籍でインブレの小説を買ってからは、それを何度も読み返すようになった。


性格上、普段から同じ本を何度も読み返すタイプなのだが、それにしてもこの本は何度読んでも面白い。ブランドン・サンダーソンという作家のことはよく知らないのだが、筆力のある作家であることは分かる。剣での戦いなんて、普通小説にしづらいと思うのだが、戦闘シーンは(英語なのに)手に汗握らせられる。




この小説は、前にも書いたとおり公式のストーリーなのだが、それにしてもゴッドキング閣下のカッコ良さと、性格の良さに驚かされる。疑いもなく、インブレシリーズのストーリーを通じて、最も良い人はレイドリーアーだ(次点はイーサだろう)。仕方が無かったこととはいえ、最後に生き残ったのが閣下ではなかったことが残念でならないレベル。閣下が命を落とすシーンなんて、涙が出そうになって、慌ててあくびをする振りをしちゃうくらいだ。


小説版は、普通の人は読まないと思うので、閣下がなぜカッコ良いかをちょっとまとめておこう。



●名誉・礼節
閣下は、何よりも名誉・礼節にこだわる。戦いは1対1で勝ってこそ名誉あるものと信じており、それが高じてイージスの掟なんかを作ったりする。

Redemptionでは、落涙の牢獄から脱出して転生した直後、忠実な下僕のふりをしていた部下達3人に襲われるシーンがある。もちろん、閣下に盾突いた小者は皆殺しになるのだが、このときも、閣下を怒らせたのは、部下達が自分を裏切ったことではなく、3人が一度に襲いかかってきたことだった。

閣下とオウサーは、昔から不倶戴天の敵だったようだが、その理由はおそらく、名誉を重んじる閣下としては、卑劣な手段を弄するオウサーが許せなかったのだろう。



●つまらない価値観にこだわらない
閣下は、ゴッドキングを称されるくらいだから、考え方が常人を超越しており、小さな価値観で物事を判断したり、つまらないことで怒ったりしない。先ほどの自分を裏切った3人の部下達に対しても、裏切りがばれた時点で逃げ出さず、逆に自分に向かってきた勇敢さに対して、誇りに思っているくらいだ(もちろん、皆殺しだが)。

また、小説のラストで、閣下はたった一人で探求者の基地に乗り込んで死闘を繰り広げるわけだが、その戦いに向かう直前、もし自分に万が一のことがあったときにインブレを探求者に渡さないために、剣にテレポートリングを取り付け、対になるリングをオウサー(=サイラス)に託していく。

ところがサイラスは、閣下を裏切る。ライバルである憎き閣下を葬り去るチャンスとみて、同じくインブレを持つアシマールと戦っている最中、閣下がパリィする瞬間を見計らい、剣をテレポートで奪うというゲロ以下の暴挙に出るのだ。(もちろん、閣下はとっくにお見通しであり、未然に防がれるが)

閣下がすごいのは、こんな非道な真似をされても、全然怒っていない点だ。むしろ「真の不死者にふさわしい、素晴らしい裏切りだ」などと感心していたりする。・・・オイオイだが、こんな点も、さすがは閣下、常人とは比べものにならないお方だろう。




●誠実
閣下は誠実である。「約束は必ず守る」と公言しており、事実必ず守っている。この誠実さは、閣下がごく幼い少年のうちに不死者になったことに起因していると思われる。人間の醜さとか弱さとかを知らないうちに不死者になったので、閣下のハートは非常にピュアなままであり、約束は守るべきもの、名誉は大切なものなどと堅く信じている。

イーサとの会話においても、「探求者を倒した暁には、人々に自由を与え、誰もが幸福に暮らせるような世界にすると約束しよう」とか言っており、おそらくこの言葉が事実だったであろうことを考えると、余計に閣下の死が惜しまれる。

ただし、閣下が誠実だからといって、騙されやすいお人好しであると考えるのは、とんでもない間違いだ。閣下もそれなりに何千年も君臨してきているだけあって、人を見抜く目も優れ、政治的な手練手管も知り尽くしている。簡単に騙されることも、チャンスを見逃すことも無い。さすがは閣下だ。



●責任感
閣下を際立たせている特徴は、その責任感だ。閣下にとっては、この世に生きる人々全ては、自らの民である。自分には、その人々の生活を守る責任があると考えており、その現れとして、統治機構の安定を何よりも重視している。パンテオンの制度を作ったり、不穏分子を牢獄に閉じ込めたりしたのも、そのためだろう。

もちろん、閣下は臣民に対して厳しい圧政を敷いていたわけだが、その一つの理由は「きちんと生け贄の戦士を差し出させること」だったと明言している。そのため、もう生け贄いらなくなったから圧政やめるわ、みたいな先ほどの発言につながることとなる。
(もう一つの理由は、閣下が少年のまま不死者になったので、人の命の重みとかを全然理解していないという点。)

この人々に対する大いなる責任感こそが、最後に閣下が探求者の申し出を蹴り、自らの命を犠牲にしてまでその計画を阻もうとした原動力であろう。その閣下の心の気高さに触れることによって、はじめてサイラスは、自分のダークサイドであるオウサーを克服できたのである。そう考えると、全ては閣下のおかげじゃないか・・・。




以上、つらつら書いてきたが、iPadGamerの閣下に対する忠誠心がなぜ高まったか、少しでもご理解いただけただろうか。今度、回を改めて、閣下の最後のシーンを訳出してみたい。乞うご期待。