インフィニティブレードシリーズに関するストーリー解説の続き。今回は、Redemptionから3のストーリーを解説していく。なお、3については現行のゲームでもあるため、ネタバレしたくない人は注意。
●インフィニティブレードRedemption
ガラスに欺かれ、落涙の牢獄に閉じ込められたサイラスとレイドリーアーは、互いに怒りにまかせて殺し合う。死ぬ度に、QIPはダメージを受けた肉体から離れ、再生チェンバーに向かおうとした。しかし、牢獄の持つ封印の力により、互いのQIPは体の中に閉じ込められたまま、牢獄の外に出ることは出来なかった。肉体が治癒しては、殺し合うことの繰り返しが、果てしなく続いた。
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一方、サイラスと別れたイーサは、不死者に立ち向かうサイラスの存在を人々に知らせ、人間の反乱軍を組織する。2年後、サイラスの行方を追ってサランシアを訪れたイーサは、サイラスが落涙の牢獄に閉じ込められていることを知り、牢獄を解放して、サイラスを助け出した。レイドリーアーも、牢獄が開かれた瞬間、イーサから奪った剣で自ら命を絶ち、転生を果たす。
レイドリーアーが閉じ込められていた2年の間、ガラスは偽ゴッドキングをラリオスの城に送り込み、王国の支配権を握っていた。パンテオンのメンバー達も、次々にガラスに屈し、その配下に入る。更にガラスは、かつて完璧に安定していた王国の統治をわざと分断し、中小の不死者達が互いに争うように仕向けるなど、王国全体に意図的に混乱状態を作り出していた。
転生直後、レイドリーアーは忠実だったはずの部下達に襲撃される。立て続けに襲いかかる罠を切り抜けたレイドリーアーは、ガラスの力が既に圧倒的なものになっていることを知る。残された一握りの忠実な部下を従えたレイドリーアーは、ガラスに立ち向かうために、反乱軍の首領となったサイラスのもとに向かう。
サイラスは、反乱軍を率いて、レイドリーアーの基地の一つを襲撃し、制圧していた。そこに現れたレイドリーアーは、サイラスに同盟を持ちかける。同盟の条件として、レイドリーアーは反乱軍に再生チェンバーを提供し、更に「神聖なる尖塔」と呼ばれる秘密の装置を使えるようにする。そのかわりサイラスは、偽レイドリーアーを倒し、インフィニティブレードを取り戻す。そして、レイドリーアーがその剣でガラスを倒してから、改めて二人で決着をつけようというのが、レイドリーアーの申し出だった。
やや一方的な申し出だったが、これ以外に方法が無いというレイドリーアーの確信に押され、サイラスは同盟を承諾する。
★この時点でレイドリーアーは、サイラスの反乱軍の存在を、同盟の力関係を左右する戦力として全くカウントしていない。人間ごときは眼中に無いようで、さすがは閣下だ。
サイラスが是が非でも入手しようとした「神聖なる尖塔」とは、普通の人間のQIPを改変し、不死者に変える装置だった。サイラスは、ガラスやレイドリーアーに対抗するため、自分自身の不死者の軍隊を作り上げようとしていたのである。しかし、不死者を嫌い、不死者から解放されるために反乱軍を組織したイーサは、サイラスの不死者育成計画に反発した。結局、「神聖なる尖塔」は使われないままに、サイラスは偽レイドリーアーを倒すために旅立つ。
偽レイドリーアーの元にたどり着き、インフィニティブレードを取り戻したサイラスだったが、偽物が使っていたコンピュータの画面を読んで愕然とする。そこには、サイラスの反乱軍の正確な居場所や、レイドリーアーとサイラスの同盟のことなどが、全て予測されていた。反乱軍に対する爆撃の計画を知ったサイラスは、すぐさま逃げるように通信を送るが、その行動すらもガラスに予測されており、通信内容が途中でハッキングされてしまう。レイドリーアーやイーサをはじめとする反乱軍は、偽の通信によって一箇所に集結させられ、爆撃によって全滅する。
反乱軍が全滅した場所にたどり着き、呆然とするサイラスの前に、レイドリーアー(再生途中)が現れた。彼の口から、サイラスは、イーサのみが爆撃の直前に「神聖なる尖塔」を使って不死者になっていたことを知る。
ガラスが全てを予見していたという事実に落ち込むサイラス。しかしレイドリーアーは、「既に反乱軍全員が不死者になっているはず」というガラスの予測が間違っていたことを指摘。ガラスも決して全能では無く、ミスを犯すことことがあるはずだと冷静に分析する。
イーサを隠れ家の再生チェンバーに運ぶサイラスのもとに、自らに忠実に従う部下イブスを託したレイドリーアーは、インフィニティブレードを手に、一人ガラスの居城アークに向かう。
★レイドリーアーの部下イブスが、インブレ3に出てくる薬屋である。一見するとロボットのようだが、普通の人間だ。
アークに着いたレイドリーアーは、インフィニティブレードの力で行く手に立ちはだかる敵を次々に倒し、ついにガラスの元にたどり着く。しかしガラスは、レイドリーアーのことなど眼中に無かった。インフィニティブレードを手にガラスに迫るレイドリーアーだったが、その前に不死者アシマールが立ちはだかる。
旧知のアシマールをも屠ったレイドリーアーだったが、アシマールが自分と同じインフィニティブレードを持っていたことに驚く。ガラスは、自らがインフィニティ系の武器をコピーしたことを明かし、さらに、レイドリーアーがガラスを倒すために打った策略を次々に看破する。ありとあらゆること全てが、既にガラスに知られていた。レイドリーアーは絶望する。
しかし、レイドリーアーに疑問が湧く。あらゆる知識を持ち、無敵なはずのガラスが、なぜ何千年も落涙の牢獄に閉じ込められることになったのか・・・?
その理由は、オウサーだった。不死者の全ての行動を予測できる力を持つガラスも、なぜかオウサーの行動だけは予測することができず、そのために落涙の牢獄に閉じ込められることになったのである。さらに、今回の反乱軍を全滅させた爆撃でも、レイドリーアーが知らない場所(隠れ家)に運ばれた再生チェンバーだけは、爆撃を受けなかった。
★ガラスのこの予測能力については、明言はされていないが、ガラスが不死者を創り出す際、相手の思考が読めるように自らをプログラムしたという可能性が高い。しかし、元々不死者であるオウサーだけは、ガラスが心を読むことはできないのである。
そう考えれば、ガラスが自分の部下であるはずの不死者を倒す剣をつくった理由も納得がいく。おそらく、他の不死者達の「あ~も~、このジジイうぜ~、背中から刺したろか~」みたいな思考が読めちゃって、ストレスMAXになったのだろう(推測)。
ガラスを倒すことができるのは、オウサー=サイラスのみ。圧倒的な力を持つガラスと戦う間に、レイドリーアーはそのことを確信する。
★ゲームにおいても、レイドリーアーと戦う際、オウサーの名前が出る前から、いきなり激昂して襲いかかってくることが分かる。これも、レイドリーアーの思考を読んだと考えられよう。
なお、小説版でのレイドリーアーとガラスの戦いでは、本当に手も足も出ず一方的に追い込まれるという描写がなされている。最強の戦士であるはずのレイドリーアーを子ども扱いするガラスの剣技は、卓越しすぎているが故に、逆に相手の思考を読んでいることが分かる。
イベントキルされたレイドリーアーに対し、ガラスは自らに従い、新世界を共につくることを手伝えと告げる。しかしレイドリーアーは、地上の民は全て我が民であり、その人々を見殺しにすることはできないと、それを拒否。最後の瞬間にガラスのデータポッドを奪って転送し、サイラスにメッセージを送る。サイラスは、そのメッセージにより、レイドリーアーが全てを自分に託して死んでいったことを知る・・・。
●インフィニティブレード3
イーサは、隠れ家の再生チェンバーで復活する。この隠れ家を拠点に、サイラスとイーサは、ガラスの野望を防ぐために世界各地を回ることとなる。
★小説版では、他にもガラスの爆撃から生き残った仲間が何名もいることになっているが、ゲーム上では省略されており、隠れ家には数名しか登場しない。
レイドリーアーの城からデータポッドを入手したサイラス達は、ガラスに従う不死者にインフィニティ系の武器が渡されていることを知る。さらに探索を進める彼らの行く手に、インフィニティ武器を持つ不死者達、さらには巨大なドラゴンなど、様々な敵が立ちはだかる。
自らの居城サランシアに再び訪れたサイラスは、テルに命じて封印された装置「リディーマー(償い)」を手に入れる。このリディーマーこそは、かつてオウサーのQIPに干渉し、その記憶を抹消した装置だった。サイラスは、イブスにガラスのデータポッドの分析を命じるとともに、幼馴染みの鍛冶屋ジェンセンに、リディーマーの改造を頼む。
一方、最強の不死者リレンドルと戦ったイーサは、リレンドルからガラスの居城アークの場所を教わる。ついにガラスの居場所を突き止めたサイラスとイーサは、アークを強襲する。
そこは、アーク(箱船)の名のとおり、ガラスの脱出用ロケットの発射場だった。ガラスは、このロケットで地上から離れ、上空から地上の全てを焼き尽くすことで、不死者達を皆殺しとし、再び数百年の時間をかけて、新たな世界を創造しようとしていたのである。インフィニティ系武器の拡散も、ドラゴンの出現も、全てサイラスを忙しくさせておいて、アークが発射可能となる時間を稼ぐための策でしかなかった。ついに、地下のアークの発射場で、サイラスとガラスの最後の対決が始まる。
武器を弾き飛ばされるサイラス。弾かれた武器は、拾おうと飛びつくイーサの手をすり抜け、落下してしまう。丸腰となったサイラスを、インフィニティブレードで永遠に抹殺しようとするガラスだったが、サイラスは素早く剣を躱し、逆にガラスにインフィニティブレードを突き立てる。
インフィニティブレードに貫かれながらも、「これは自分の作った剣だ、自分を倒せると思ったのか」とサイラスを嘲るガラス。しかしサイラスは「償うことはできるはずだ」と叫び、リディーマーをインフィニティブレードに挿入する。ガラスは、絶叫とともに光に包まれ、かき消えた。発進するアークが吹き出す業火の中、サイラスとイーサはしっかりと抱き合う。
地上にカオスをもたらしていたガラスが倒され、世界は一応の落ち着きを取り戻した。サイラスとその仲間達は、隠れ家で喜び合う。そしてラスト、サイラスとイーサが歩いて行く砂浜の先には、全ての記憶を抹消され、無邪気な幼児に転生したガラスの姿があった・・・。
★最後のムービーシーンを見ると、「神秘の探究初心者」というアチーブメントがアンロックされる。全く意味不明な文言のため、日本語版ではこの幼児が何者なのか分からない。
しかし英語では、このアチーブメントは「神秘の幼児」(Toddler of Secret)という文言になる。これは、「神秘の探求者」(Worker of Secret)と対になっており、子どもがガラスの転生であることを暗示している。