平成21年(2009年)
新業態になって2年目になった。
業績は順調で次の出店に向けて僕は各地を走っていた。
そんな中、この年はベテラン従業員が65歳や60歳になり定年を迎えて
次々に会社を去って行った。
新業態になると、社長以外の全社員が入れ替わるということを、静岡のM社長から聞いていたが、僕はそんなことが我が社で起こるとは
思っていなかった。
まだ残っていた比較的定年まで時間のある従業員も、やがて数年で全員やめていった。
変化に対応出来ない社員はやむを得ないところであった。
昔の我が社との決別の時であった。
やがて、僕も退陣を迎えねばならない。
そん中、初代社長であり、我が社創業の父が入退院を繰り返すようになった。
母も入院して、僕は何かと介護関係でも忙しくなった。
そんな中での出店が出来るのかと思っていたが、息子達が頑張ってくれているので力強かった。
それとともによきケアマネージャーに恵まれ、二人の介護や日常の
ケアーは順調にいっていた。
それでも、時には二人の自宅へ行って見れば二人とも倒れ込んでいて
救急車を呼んだりした時など自分自身が途方に暮れて暗澹たる気持ちになってしまった時があった。
僕の気持ちを立て直せたのは、日頃からの教え
「苦労は喜んで実行」の言葉であった。
そして、苦労はさせていただくありがたいもの。
こんな幸せなことはないということであった。
入院先の病院のベットで父が言った。
「我が人生に悔いなし」
これは息子に送る最高の言葉として深く僕の心にはまった。
自分はそんな言葉を息子達に言えるのだろうか。
聞いてみれば僕の兄弟3人全員がこの言葉を聞いたのである。
父は兄弟全員平等にこの言葉を贈り人生を締めくくったのである。