あらすじ(作中より加筆して転載)
永禄七年(1564年)室町幕府第十三代将軍足利義輝の時代。
その戦国の世に人が在り、闇【かたわら】が在り、人を食う闇が在り、闇を狩る人があり、
その狭間に手を取り合う人と闇が在った―――。
仙道(分かり易く言うと仙人)「迅火【じんか】」と妖狐「たま」の人呼んで「世直し姉弟」が、
悪事を成す人や闇に互助と博愛を説き、
歯向かう者には鉄槌を下す戦国ファンタジーバトルです。
私のお気に入り「
惑星のさみだれ」の作者、水上悟志さんの作品です。
惑星のさみだれよりかは少しダークな雰囲気の漂う作品ですな。
と、言うのも、主人公の行動原理が「人間への憎しみ」によるものなので、
暗くなるのも道理なんですが。
今はまだ、迅火が何故そう言う感情を持つに到ったかは、
まだ触りの部分しか語られていないので、
妖狐・たまとの出会いなども合わせて追々語られて行くだと思います。
そして、姉であり、人間の良心を信じる闇でもあるたまが、
迅火の人間嫌いを改めさせる過程で、人という存在や、
人と闇の関係性を問うて行くのが本筋になるんじゃないでしょうか。
とりあえずは、これから迅火たちの前に度々立ちはだかるであろう、
闇を狩る人間側の組織「断怪衆【だんがいしゅう】」の悪行を暴き、
迅火たちとの因縁作りを進めて行くみたいですね。
また、バトル漫画としても十分な迫力を楽しませてくれます。
迅火の持つ秘術「精霊転化【せいれいてんげ】」の圧倒的なパワーや、
迅火の人間に対する感情のドス黒さなど、
惑星のさみだれよりも荒々しく力強いタッチで表現されていますよ。
なんだか重い漫画を想像させたかもしれませんが、
どちらかというと熱血少年漫画に近い熱さを持った作品です。
また、水上さんらしい所々の軽い乗りの語り口や、
カワイイ猫耳少女など、楽しい部分もポイント高いと思いますよw。
あと、蛇足かもしれませんが所々の設定に、
水上さんの処女作「
散人左道」と被る部分があるので、
もしかしたら何か関係があるのかもしれませんな。