「あの頃」の美学と電線の美学 | ニコニコノコノコ

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電線の美学

「電線の美学」をはじめてから(始めたって表現もアレだが)、

かなり自分的にはしっくりきている電線写真収集。


ふと思い出したのは、学生の頃、友達に借りた一眼レフで、

今の横浜みなとみらいや赤レンガのあたりにあった廃線を撮ったり、

錆が流れる石の壁を撮ったりしていたこと。


赤レンガの前あたりというのは当時、貨物列車の線路が廃線になったまま

草ボウボウな感じで放置されていて、赤レンガも廃屋だったから、

なんともいえない空気が漂っていたんだよね。

ノスタルジックな。

かといって無人ではなく、ちゃんと港湾で働く人たちがいて、

トラックが入ってきたりするから、本当は立ち入り禁止区域であった。

でもそんなの関係ねー、という感じでちょくちょく侵入していました。

たまに関係者に怒られたけど。


労働者が寝泊りする簡単な宿舎も線路脇にあった。

私が廃線のディティールにカメラを向けて熱心に撮っていると、

建物の2階窓からオッチャンが顔を出して

「おーい!ネェチャン!ポイントなんか撮って何が面白いんだ~?」

大声で言われたっけ。

まぁ、笑われた、って感じです。


今は携帯カメラだから一眼レフみたいに大袈裟ないでたちにならない。

オートフォーカスだし。簡単。

だから、からかわれることもないけど(もうネェチャンじゃねーしなぁ…苦笑)、

上を向いて電線やら電柱を撮っている自分というのは、

あの頃、廃線のポイントに懸命にファインダーを合わせていた自分とあんまり

変わらないのだな…、ということを自分で発見して、自分を振り返るのであった。


通りすがりの人は「何を撮ってるんだ?」と思うだろうな。


「電線なんかとって何が面白いんだ?」なんて話しかける人がいたら、

「電線の美学」についてひとしきり語ってさしあげようと思う。